考えたこと2

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セルフトーク
オリンピックに出ていたバドミントンの女子シングルスの奥村選手は、コートに入る前にはっきりと言葉に出して何かをつぶやいて試合に臨む。
自分に言い聞かせる言葉だ。
前にも書いたが「ここまで来られたことに、たくさんのサポート、ファンの皆さんの声に、すべてに感謝して、この舞台を楽しもう、やりきろう、よし!」というようなことを言うらしい。
ケガを乗り越えてきた経験が、この感謝の気持ちをつぶやかせるのかもしれない。
それを五郎丸のようにルーチンにしている。

回りの人達に対する感謝をつぶやくとは、いかにも日本らしい、と西洋人は言うかもしれない。
でも、それは文化の違いであって、それが自分を鼓舞するという意味では同じことだ。

海外では心理学者がこういう研究をよくする。
セルフトークで自分を高めることができるか、というようなものだ。

イギリスの研究者は「自分を励ます独り言は実際に効果的だ」という。
記事によると、

「たいていの人は自分の能力を高めたいと考えている。「競争相手より自分のほうが優れている」と自分に言い聞かせることは米国人にとって当たり前のことであり、自信を持てない人は米国人ではないかのような印象さえ与えかねない。

 とはいえ、自分を鼓舞すれば本当により良い成果を挙げられるのだろうか。

 心理学の世界では以前から、セルフトークや自己教示、つまり望んでいない思考や行動を変えるために自分自身に語りかけることで、気持ちも切り替えられることが分かっている。

 セルフトークは認知行動療法の技術の1つで、例えば、落ち込んでいるときに「私は新しい友達をつくることができる興味深い人間だ」とか、「私は一度に1つのことに集中できる」といった言葉を自分にかければ、考え方や物事に対応する能力の修正に役立つ。」

と書かれている。

実験結果からは単純なセルフトークが効果が大きい、という。
また、努力と技術は別物であって、今回の実験は主に努力(集中力?)の部分が大きかったから、効果があったと言われている。
それはそうだろう。
全く技術的に練習していないものが、「きっとできる」というセルフトークで突然できるようになるとは思わない。

こういうのは、それなりに技術(知識でもいいと思う)を身につけ、回りからみてもポテンシャルがある、という人が効果を上げるものだと思う。
「火事場の馬鹿力」という言葉があるが、それを発揮できるかどうかは心理的なものにかかっていて、セルフトークの効果が期待できるのかもしれない。

日本人はネガティブに考えがちだ。
「もしダメだったらどうしよう」とかいう考え。
これは萎縮を生んで、悪い方に働くだろうなあ。

そうつぶやくくらいなら、「きっとできる」とつぶやく方がマシだ。
でも、今回のオリンピックで見た若い人たちは、そういうことをやっているんだろう。
もう昔の日本人ではない。

でも、吉田沙保里や福原愛はしんどかっただろうなあ。
特に吉田は試合後のインタビューが気の毒だった。
あれは責任感から、セルフトークが「負けたらダメだ」というネガティブな方向に行ったのかもしれない。
いいメンタルコーチがいたら、結果は違っていたのかもしれない。

そういう人文科学的なアプローチをもっとやらないといけないなあ。


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