考えたこと2

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暮しの手帖
朝のドラマでは「あなたの暮らし」という雑誌の話をしているが、あれは実際には「暮しの手帖」という雑誌のことだ。
母がこの雑誌をずっと買っていて、机の上にあったのを小学校のころ見ていた。
ドラマにもあるように、戦後しばらくたっていろんな商品が出てきた時に、いろんな商品テストをやっているのが面白くて読むというより見ていた。

写真を多用して結果がわかりやすい構成になっていたから、小学生でも見るだけでほぼわかった。
今思うと、ホントに志の高い雑誌だったと思う。
時代もちょうどそれを求めていた。
今のように、社会にも企業にもCSR(企業の社会的責任)というような意識がなく、モノを作れば売れた時代だったから、粗悪な商品もあったんだろう。
いろんな家電製品をどんどんテストして載せていた。
ドラマに出てくる白黒写真が懐かしい。

主婦が、いろんな家電製品のどれを買ったらいいのかという情報を、的確に与える本だったと思う。
冷蔵庫や洗濯機という、「三種の神器」と言われた家電製品のテスト結果は興味深かった。
実際に洗って、どんな汚れがどれだけ落ちたかというような試験や、洗ったものの傷みのようなものも評価していたと思う。
試験するものは全部買って、実用的な試験項目で、全部自分たちでやっていた。
一切の広告を載せない、という独自の強みがあった。

今回、あの本がどんな経緯で世に出たのかがわかって、感慨深いものがある。

「暮らしの手帖」が出たおかげで、メーカー側はマジメに作るようになったはずだ。
大げさに言えば、あの本が日本の家電のレベルを上げ、メーカーを淘汰し、ものづくりの姿勢を変えたと思う。
特に生活に密着した白物家電。
あの本のおかげで、マジメなものづくりができた。

現代はモノがあふれ、価格競争もあり、「安くてそこそこのもの」か「高くて十分なもの」しか生き残れないという時代だが、あの時代はモノ不足で、作れば売れるという時代だった。
高度成長で、給料も増えて、購買意欲は高かったからだ。
製品に国際競争力をつけるという効果もあった。
そして各メーカーは研究所や部署を作り、自分たちで試験をするようになった。
それを促したのが「暮しの手帖」だったと思う。

Wikipediaによると、「暮らしの手帖」は2007年に商品テストを中止したとのこと。
ようやく時代が「暮らしの手帖」に追いつき、商品テストは役目を終えた。

日本の一時代を作った雑誌だ。

| | 考えたこと | 21:33 | comments(2) | trackbacks(0) |

コメント
カーグラフィックを創刊した小林章太郎は、暮しの手帖の花森氏に影響を受けて「自動車のちゃんとしたテストをする雑誌」をコンセプトにしたと誌面で幾度となく書いておられました。同誌のテストと小林編集長の辛口論評で日本の自動車が格段に良くなったと思います。

| Northfield | 2016/08/20 11:40 PM |

そうだったんですか。
カーグラフィックも古い雑誌ですね。
こういうのが「ペンは剣よりも強し」というヤツですねえ。
今の地上波のテレビ番組にも、爪の垢を煎じて飲ませたいです。

| suzy | 2016/08/21 12:10 AM |

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