考えたこと2

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面白く話す
何度か書いたが、面白く話すのは難しい。
天性の才能を持った人もいるが、大方の人は面白く話すためには努力が必要だ。

そもそも、面白く話そうと思わない人も多いことに最近気づいた。
ぼくは、話す限りは面白く話そうと思うものだと思っていのだが、マジメに話すのがいいと思っている人の方が多い。
だから、世の中の講演会など眠たいものが多いのだと思う。
面白いというのは、興味深いという意味であり、聞いていて前のめりになる、という感じだ。
そこにいくつか笑いがあればもっとよい。

自分の言いたいことだけを話すというのは最も悪い。
だれもあなたの言いたいことなど聞きたくない、という前提に立っていないのだろう。
なぜそれを言いたいのか。
どんな事例があるのか。
聞いている人にわかるようにそれを話さないといけないのだが、そういう人はそれを無視する。
だいたい、そういう人は時間にルーズなので時間いっぱい話す。
質問の時間などない。
こういう会に付き合わされたら最悪だが、世の中にこの手の会が多いのは事実。
聞く方のことを考えていないのだ。

聞く方のことを考えていても、ダメな場合というのがある。
話の持って行き方が悪い、というやつだ。
普通に話せば、物事が起こった順に話すのだが、逆にして話したほうがわかりやすい場合がある。
話し手は結論を知っているが、聞いている人はわからない。
だから、結論を先に言って、わかった状態で原因を話すほうが圧倒的にわかりやすい。
面接では「まず結論から話す」ということを指導するが、それがわかっていない人が多い。

もちろん、経験もある。
余裕がないと、なかなか聞く方もゆったり聞けない。
聞く方の人たちを見て、反応を確かめながら話せるようになると、強いだろう。
わかってないな、と思ったら、補強すればいい。

もう一つ、「話しを聞く」という雰囲気を作ることだ。
これは落語の場合は「枕」という。本題に入る前の導入部。
素人落語の場合、「枕」は大事だ。
聞き手の「どんな人が話すんだろう」という緊張を解いて、「面白そうだ」という雰囲気を作らないと、いくら頑張っても受けない。
ここで笑いを一つとると、全く違う展開になる。
プロでも名前を知られていない落語家など、かならず枕で笑いを取るようにしている。

そういう「場」を作る、ということが事の成否を分けると言ってもいい。
NHKでやっている文化講演会をよく聞くが、最近は予算が減ったのか、悪い意味でマジメな講演が多すぎる。
さすがに、有名な作家とか、何度も一般の人に講演をやっているような人たちが出ると、惹きつけられるような講演になる。
そういうのをよく聞いていると、場を作るのが上手だということがわかる。
もちろん、聞き手が演る前からどういう人か知っている、という側面も大きいのだが…。

もう30年ほど前に会社の労組の動員で講演を聞きに行った、棋士の内藤國雄の話は今でもよく覚えている。
「おゆき」という曲が流行って、ちょっと経った頃だった。
応援演説という名目だったが、要は「おゆき」という歌謡曲を内藤が歌うようになった経緯の説明。
本当に面白かった。
誰の応援だったかなどは全く忘れたが…。
あの時に、「おゆき」のもう一つのバージョンのメロディーを歌ってくれたのだが、それは今でも覚えている。
よく出来た講演は、それだけ心に残る。

残念ながら、そういう講演にはめったにお目にかかれない。

もう少し、話し手は「面白く話す」努力をすべきだろう。

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