考えたこと2

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たそがれ清兵衛
たそがれ清兵衛 藤沢周平 新潮文庫

久しぶりに本の記事。

今まで藤沢周平の作品をあまり読んだことがなかったが、先輩に勧められて読んだ。
これは短編集。
8人の侍が描かれる。
いずれも剣については一流の使い手だ。
でも、太平の江戸の世で、剣ができることはもはや出世の道具にならない。
8人が8人とも下流の藩士。
何か外観上の不具合があったり(不細工ということだ)、何か自分の家の事情を抱えていたりする。

そういう侍だから、お家騒動を画策する仲間に入ったりはしない。
でも、武道の覚えがめでたいとわかり、どちらか一方に力を貸すように頼まれる。
仕方なく巻き込まれる運命なのだろう。
そんな彼らが活躍するのだが、あくまで裏での活躍になる。
それがために取り立てられるということもない。
目先の問題が解決するという程度だ。

それでまた普通の藩勤めの侍に戻っていく。
ほとんどの人は彼の強さも知らず、元のままだ。
それでも文句も言わずに元の生活に戻っていくのだ。

そんな侍を描いた短編集。
わざの強さをひけらかすでもなく日常を淡々と生きる。
彼らにとっては、淡々と過ぎる日常が大事なのだろう。

読んでいて、そんな彼らの強さに痛快さを感じる。
そんな短編集だった。

池波正太郎ほど痛快ではないし、柴田錬三郎のように粘りがあるわけでもない。
侍の日常を描く。
時代劇が面白いと思うようになってきたのは、歳をとった証拠なんだろうか。
それも、ぼくらの世代くらいまでかもしれない。
筋立てがシンプルで、わかりやすい。
でも、いい時代劇には深みがある。

なかなか面白かった。

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