考えたこと2

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リフレッシュコーナー
リフレッシュコーナーという言葉、ぼくはとても懐かしい。
会社の言葉だから、普通の人には意味も想像の範囲だろうと思う。
要は喫煙コーナーのことだ。
そのころはまだ禁煙が事務所の中だけで、屋内の一角でタバコが吸えた。
偶数階だったか、エレベーターホールの横がリフレッシュコーナーだった。

偶数階のリフレッシュコーナーは事実上喫煙者のたまり場となり、煙害やタバコの臭いで吸わない人は寄り付かなくなった。
当時ぼくは設計の仕事をやっていて、けっこうストレスフルだったから、タバコは一日2箱くらい吸っていた。
スーパーライトという種類のタール1ミリグラムというやつだったが、一日何回もトレーに出先の事務所から仕事のFAXが束になって置かれ、そのたびに書類を見て誰にふるかを決め、メモ書きで指示を書いて回し、自分が担当する分を貯める。
そんなことをやっていて、夕方5時になる。
そこからようやく自分のやるべき仕事をやる、という日々だった。
バブルの頃だったから、とにかく忙しかった。
人生で一番働いた時期だったと思う。
30代の頃だった。

しんどかったが、やりたいことができた時期でもあった。
それをやろうと思うと、夜中の時間まで残らないといけなかったが…。
毎日深夜に自腹でタクシーか社用車で帰る日々だった。

その時は喫煙者も多かったし、リフレッシュコーナーはいろんな部署から人が集まってくる場所だった。
普段なら顔を合わせて話さないような人がいたりする。
そういう人とタバコを吸いながら話をすることで、アイデアがもらえたりする。
タバコでリフレッシュするというよりも、そういう人と他愛もない話をしてリフレッシュする、という場所だった。

非喫煙者から見ると、こいつら仕事もせんと何やっとんねん、という場所だったと思う。
いろいろ不満もあっただろう。
それは今となっては、ごめんなさい、というしかない。

しかし、リフレッシュコーナーの機能は高かったと思う。
普段関係のない人と直接話をすることで、組織のパフォーマンスが上がる、という効果は立証されているはず。
それをやることによって、情報が流通したり、誰が何を知っているかが分かったりする。
これはメールやfax、電話では得られない。
あまり意識してはいないが、目と目を合わせて話すというのは情報量が多いのだろう。
言っていることの真偽やその人自身の思いが目に現れる。
だからこそ、ITの産業はシリコンバレーに集まっているのだ。

今はメールが発達し、何でもメールでやるようになった。
若い人は隣の人にもメールを出す時代。
それと同時に日本企業のパフォーマンスも下がったような気がする。
それに加えて、若い人の喫煙率は低い。
ぼくも病気をして禁煙したが…。

CADが普及して製図台がなくなり、電子帳票化が進んでアナログなものへの接触が減った。
それは飛躍的に生産性を上げたが、なにか大事なものがなくなったのかもしれない。

企業によっては、そういう弊害をなくすために、いろいろな取り組みをやっているとも聞く。

しかし、あのリフレッシュコーナーになかなか勝てないだろうなあ、とぼくは思う。
一日中じーっと座って、電話も減り、メールの連絡をし合う会社は効率という観点ではいいんだろうが、何か欠けているような気がする。

ぼくはリフレッシュコーナーのおかげで、いい時代を経験できたのかもしれない。

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