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2016.03.04 Friday
仏教の未来
アマゾンが僧侶の手配サービスチケットを販売し始めたとのこと。
さっそくアマゾンのサイトで「お坊さん」と入れて検索をしてみた。 そこで出てきたのが「お坊さん便」。 法事・法要でお経を詠んでもらうのに、3万5千円とのこと。 途中で移動があったり、戒名も欲しいということになると値段が上がるが、明朗会計でその他の費用は不要。 ちゃんとサービス概要の所に「上記のほかに追加料金は不要です。お車代・お膳料・心づけなども不要です。」と書いてある。 「みんれび」という会社がやっていて、ターゲットは都会に住んでいてお寺と付き合いがない層とのこと。 全国一律料金で、チケットを購入したら法事・法要をしてくれるというシステム。 もともと、みんれびのホームページで2013年から販売していたらしい。 しかし、アマゾンに2015年にアップして、売上は7倍に増えたとのこと。 登録している僧侶の数は450人ほど。 うちの宗派の浄土真宗は対応可能になっている。 登録待ちの僧侶も100人ほどいるらしい。 お寺の核家族化が進んで、食えない坊主が増えたのが要因らしい。 それはそうだろうなあ。 法事や法要の時だけ来てくれれば、後は別に要らないという考えの人は圧倒的に増えていると思う。 それだけ、仏教との接点は減っているということだろう。 逆にいうと、お寺は葬式や戒名で儲けているから、布教という概念もなくなり、それを商売にしてしまったから(無税だが)、こんなことになったとも言える。 しかし、仏教界は反対しているらしい。 全日本仏教会というところが理事長談話を出している。 「お布施を営利企業が定額表示することに(全日仏は)一貫して反対してきた。お布施は、サービスの対価ではない。同様に戒名も商品ではない。アマゾンのお坊さん便僧侶手配サービスの販売は、まさしく宗教行為をサービスとして商品にしているものであり、およそ諸外国の宗教事情をみても、このようなことを許している国はない」 しかし、日本ほど葬儀費用が高い国はないのも事実。 ネットで調べると、アメリカやイギリスなどでは50万以下で葬儀ができるのに、日本はかなり高い。 斎場と坊主のお布施を合わせると100万は軽く超える計算(平均値)。 だから、この談話を裏返すと、諸外国では商業行為というほどぼったくっていない、ということだ。 宗教が人の生死で金を取るというのは、どうかと思う。 また、坊さんの覆面座談会の記事を読んだが、現場の坊さんたちの意見も明確に反対というものはないようだ。 もちろん、食うに困っている坊さんたちだが…。 そらそうだろうなあ。 こういう動きになってくると、いずれは明確に商業行為ということになって、宗教行為とは言えなくなってくる。 そうなると、課税対象になるだろう。 この調子ならその日も遠くない。 そういう形で明朗に残るくらいしか、仏教の未来はないと思うのだが…。 |
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