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2016.01.19 Tuesday
想定外の外
想定外というのは、予想していたことが外れ、予期せぬ自体になること。
年をとって、足腰が弱るとか、寝たきりになるとか、そういうことを考えていたら、もっとヒドイことになった、という状況。 想定外を避けるために、どうしたらいいか、ということを考える。 しかし、そう簡単にはいかないのが人間の老後。 生きれば生きるほど、そのリスクは高まる。 たいがいの人が、これだけはなりたくない、と思っているのがボケてしまうこと。 それなら想定内だが、そうはいかない。 これが恐いところは、想定していたことさえ覚えていないことだ。 ボケてしまえば、ボケた方は楽だ。 いや、楽かどうかはわからないが、少なくとも今心配している自分ではないのだから、想像ができない。 でも、その状態を想像すると、楽ではないかと思う。 しかし、回りは迷惑だろう。 これが、ボケたくない理由にもなる。 人間の記憶の連続性はどうなるんだろうか。 家族の顔も忘れ、徘徊したりして、どうしようもなくなった時、記憶は失われているんだろうか。 それとも封印されてしまうのだろうか。 調子のいい時は思い出すということも聞くから、封印されているのかもしれない。 まさに想定していた自分を忘れるのだから、想定外の外である。 脳のCTなどを見ると、脳が萎縮して縮んでいる。 細胞数が減るから、記憶がなくなるんだろうか。 でも、縮んでも必ず発症するわけでもないので、難しい。 人生は一つの歴史である。 死ぬときはその歴史に幕をひく、という形で死にたいものだと、普通の人は思っているのだと思う。 それが途中でわけがわからなくなって、途切れる、ということが嫌なんだろうとぼくは思う。 いずれにせよ、長く生きるとこういうことが起こる。 昔はそうなる前に寿命を迎えていたのだろう。 本当に迷惑なのは、今そういうことを考えていても、それ自体が想定外の外だということだろう。 だから、考えても仕方ない、と言ってしまえばそれまでのことなんだが…。 |
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