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2015.11.04 Wednesday
チューリングテスト
あるコンピューターシステムが人工知能かどうかを判定するテストがある。
それはアラン・チューリングが考案した。 彼は数学者で、チューリング・マシンというコンピューターの元になるような機械を作った人。 第二次大戦中に、ドイツ軍の暗号を破った天才。 まだ人工知能など、夢の夢という時代に、テストを考案していたらしい。 テストの方法は簡単だ。 判定者と、人工知能、そして普通の人間の三者で、お互いに隔離した部屋で会話をする。 会話といっても、ディスプレイに文字が示されるようなもの。 それで、判定者が人工知能に騙されたら、それは本物の人工知能だ、というようなものだ。 要は、普通の会話ができる、ということを人工知能の基準に置いたということ。 そういえば、「2001年宇宙の旅」に出てくる人工知能HALは人間と会話するシーンがメインだった。 普通の会話は難しい。 何が出てくるかわからない。 そして何が出てきても、的確に応答しないといけない。 皮肉や冗談にもうまく反応しないといけない。 「ああ、あれか。あんな面白い番組ないなあ」と言っても、それが皮肉なのか、本気なのかはその番組の内容と、文脈によるだろう。 それを瞬時に判断するのが、知能である、というのがチューリングの考えだ。 そういうのは、単純なプログラムでは無理だ。 人間の思考形態を模したプログラムが必要だ。 それこそ、人工知能。 実際、今の人工知能は、ある機能に絞って使われる。 それで、十分だ。 しかし、グーグルで研究している未来学者が語る人工知能は、脳の神経細胞などをシミュレーションしたようなものになっている。 膨大な知識はインターネットの上にある。 それらを組み合わせれば、人間のように話すことも可能だろう。 マイクロソフトが作った女子高生AIは、LINE上で人気があるらしい。 そこそこ、会話もできる、という。 もちろん、外すこともある。 あと5年もすれば、全くわからなくなるのではないか。 エライ時代になるぞ。 |
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