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2015.09.15 Tuesday
老いのバケツリレー
久しぶりにスーツを着て鏡の前に立って自分の姿を見る。
年をとったのがよくわかる。 もう年寄りの顔だ。 髪は染めてごまかすことができても、表情はごまかせない。 口角を上げようとするが、なかなか上がらない。 笑うことが少ないからだろう。 老眼がひどくなって、近くが見えない。 メガネをかけると、なんとなく年をとったような気がする。 誰もが通る道だといっても、それは一般論だ。 本人にとっては、初めての経験。 そういうことがどんどん増えてくる。 若い頃は、そういうものだと思っていた。 でも、「そういうもの」という感じではない。 自分で経験すると、そんなことは言っていられない。 若い人たちをみると、羨ましいと思う。 そんなことは考えなくてもいいからだ。 もちろん、自分もそうだった。 老いは先に逝った人たちから、順番だ。 そのお鉢が回ってきたのだと思う。 ありがたく受け取って、次に回さないといけない。 でも、そう言っている間にも、どんどん次のお鉢が回ってくる。 バケツリレーみたいなものだ。 そういうふうにして、年をとっていく。 バケツをもらう方は、いつでも突然だ。 ある日、気がついたら、何かが起こっている。 そういうことの繰り返し。 それが人生。 ようやく気づいた。 |
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