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2015.08.15 Saturday
引きこもり
イギリスのBBCが「なぜ日本人は引きこもるのか?」という取材記事を書いていた。
西洋の人にとっては、「引きこもり」はあり得ないというのは聞いたことがある。 ある年齢になったら、子供は家を出て独立するという文化があるからだ、とも聞いた。 BBCもそういう記事を書くということは、日本の引きこもり文化?を不思議に思っているということだろう。 今やオックスフォード英語辞典にも「引きこもり」は出ていて、「日本において、社会的接触を逃れることに異常な執着心を持つこと」と掲載されているらしい。 平成26年度の内閣府の調査によると、「ふだんは家にいるが,自分の趣味に関する用事の時だけ外出する」者を含む広義のひきこもりは、69.6万人と推計されている。 ちなみに、全く外出しない、狭義の引きこもりが23.6万人とのこと。 調査対象は15〜34歳の若年無業者(家事も通学もしていない者)5000人で、回答したのが3200人ほどだ。 狭義の引きこもり人口は、厚労省の調査の数とも合っているとのこと。 当たらずとも遠からずという数だろう。 ということは、だいたい15歳から34歳の百万人弱が引きこもっているわけだ。 ちょうど仙台市の人口が100万だから、日本中で仙台市一つ分の人たちが引きこもっていることになる。 記事ではイタリアやイギリスでも同様の例が報告されていると書いてあったが、全く同じものかどうかはわからない。 そういう若者が世界的に増えているのかもしれない。 外国のことはわからないが、日本の引きこもりは、1990年代から問題になったという説がある。 70年代から徐々に増えてきたという説もあるが、ぼくはその頃にティーンエイジャーだったがあまり記憶がない。 やっぱり90年代くらいだと思う。 若い人たちのストレス耐性が落ちている、というのも言われている。 要は何かがうまくいかないと、引きこもってしまうということだろう。 80年代に「いじめ」が問題になったのも一因かもしれない。 クラスの和を第一に考えるあまり、いじめに教師が加担するということも、この頃から出てきた。 内閣府の調査結果によると、引きこもりには、職場になじめなかったとか、病気、就活がうまくいかなかった、不登校、人間関係がうまくいかなかった、というような原因が並んでいる。 ぼくは引きこもりが増えた原因の一つは、学校にあると思う。 学校というのは、社会にでるための準備をするところだ。 社会に出たら、他人と比べられ、優劣がつき、それで収入も変わる。 でも、学校は基本的に「世界に一つだけの花」の世界だ。 小学校では、その人なりに頑張っていれば、いい成績になる。 こないだ和田秀樹が書いていたが、今の学校は生徒が傷つくことを恐れて、競争をしない、というのが実情。 言い古されているかもしれないが、やっぱりそれが原因の一つだと思う。 |
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