考えたこと2

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日本の組織文化
テラスカイという会社が日本にあるのだが、これはクラウドの活用に関するIT企業。
ここで働くジェイソン・ダニエルソンという人がいる。
ITとお笑い芸人の二足のわらじを履いているらしい。

ジェイソンは日本の企業文化に関しても、アメリカとの比較で辛口の批判をしている。
記事によると…

「最新技術(クラウド)のメリットをほとんど受けていない、というのは非常に残念です。」

「特に規模の大きい企業が、全然そういう気になっていないですね。とにかく、物事を決める効率が相当、悪いですから。
 何か話し合っている間に、他の国に追い抜かされるだけなんですよね。グローバルではやっていけないと思っている、日本は。もうダメです。」

というような意見。耳が痛い。
アメリカの企業との違いに関しては、

「とにかく速度が違います。トップがこうやるんだと決定してから、もう翌日には「これをやるんだな」と社員全員が理解し、効率の良いことがあればすぐに決め、すぐに始めて、すぐメリットを得る、みたいな感じで。
日本だと現場の方から何回も説得して、ようやく上が動くというケースが珍しくありません。
 それでようやく「試しに10人で1年間やってみよう」となる。それでやってみて、5年たっても何も変わらない。こんなことが多いように思います。」

日本企業の意識を変えていくことに関しては、

「変えたいんですけど、個人で何ができるのかを考えると、ほとんど日本については諦めています。一人が説得できるようなものではありません。
 国自体で、「こんなに意思決定に時間をかけすぎている状態が続くとダメになっていく」と自分自身が気づくまでは、何もできないと思っています。」

本当にそうだと思う。
そう思っている日本人のビジネスマンも多いのではないか。
それでも、長いものには巻かれろで、結局ダラダラと過ごしてしまう。

会社時代に、ある大手企業の営業の人と話している時に、稟議書の話になった。
ぼくらは起案書と呼んでいたが、要は上の決済を求めてぐるぐる回す書類だ。
起案作成者がいて、課長、部長、本部長…と回っていく。
金額に応じて、決済者が増えていく。
何万円までは課長決済でOKとかいうヤツだ。
当然、数千万円の投資になると、役員決済になる。
次部署の役員だけでなく、経理とか購買とかの役員のハンコも必要だ。
ぼくが話していた相手の会社は、超大手企業だったが、ハンコが20個くらい並ぶという。
さすがに、ぼくらの会社は半分以下だったので、驚いた。
大きくなればなるほど、ハンコをもらわないといけない人が増えるのだろう。

大きな投資については、月に一回会議があって、そこでまとめて説明するというシステムもあった。
ぼくの場合はそれだったが、資料を準備して、プレゼンをして、投資効果を説明し、質問に答え、ようやく決済が下る。
その場でハンコを押してもらうわけではないが、後日起案書が回った時に押してくれる、ということだ。

IT関係の投資は、すぐには効果が出ない。
当該部署だけで使っていても効果は小さく、関連部署もそれを使って初めて効果が出てくる。
だから、その役員の会議に先立って、関連部署に説明して回らないといけない。
関連部署は、そのシステムを使うのに抵抗がある場合が多い。
今までと仕事のやり方が変わるからだ。
慣性力にさからって、仕事のやり方を変えてもらって、それでメリットが出ることを説明しないといけない。

何回か、イヤになった。
身内の会議の時に、「もうヤメや」と言ったこともある。
自部署の合理化というよりも、会社の合理化のためにやっているのに、なんでこんな説明をしないとダメなのか、という思いになる。

そのシステムの導入に先立って調査に行った、京都の会社の状況を聞いた。
その会社はIT担当の役員がいたので、助かったということだった。
システムの記憶容量の問題だったが、その役員が「それはきっと数年内に解決するはずだから、これで行こう」というようなことを言ってくれたのだ。
こういう人がいたら、楽だ。
結局、上がITに理解があれば、話が早い。
でも、そんなに恵まれた会社ばかりではない。

インターネットが進歩して、いろんなことがネット経由で出来るようになり、今やクラウドといって、インターネット上でデーターを共有できる時代。
これを使って、合理化が出来るはずなのだ。
稟議書など、やってられない。
クラウド上に稟議書を上げて、みんなで一斉に見てもらえば、早くなるだろう。
でも、まだそんな風にはならないんだろう。

ぼくが会社にいた時、稟議書を持って回っていたら、「オレは持ってきた奴の目を見るんや」という強者の上司がいた。
結局、やるかやらないかを決めるのは、その業務フローがわかっていて、技術に明るい数人なのだと思う。
それでも、責任回避のためにたくさんのハンコをもらう。

もうそんなやり方はやめないと、これからの低成長の時代を乗り切れないぞ。

そのためには、上が勉強しないとイケナイのだろう…。


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