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2015.07.26 Sunday
幻色江戸ごよみ 宮部みゆき 新潮文庫
宮部みゆきの時代小説短篇集。
捕物帳でもなく、人情噺でもなく、怪談でもないが、それらの要素は入っている。 12話の短編。 宮部みゆきは現代物を読んでも面白いが、時代小説も面白い。 特に短編は時代劇だと場面設定が早くできるので、特にやりやすいのだろう。 宮部ワールドに入りこむことができる。 年をとると、時代小説が面白くなった。 いや、もともと面白かったのだが、時代小説が身近になったのだろう。 ややこしい浮世のことはさておき、物語の世界に入るには時代小説が一番だ。 それも、実在の人物が出てくるような伝記ものではなく、設定が江戸時代、というようなもの。 ぼくの祖母は100過ぎまで生きた。 明治生まれだった。 その祖母の祖母は江戸時代に生まれていると思う。 5代か6代ほどさかのぼれば、みんな江戸時代生まれになる。 実際はそんなに遠い昔ではないのだ。 それでも、地上波では時代劇はなくなった。 長らく続いていた水戸黄門もなくなり、大河ドラマで時々やる程度。 若い人たちは時代劇を見て育っていないから、時代劇といってもピンと来ない。 西洋でも西部劇はなくなった。 時代はコスモポリタンになっていく。 それでも、時代小説は面白い。 いつかはクラシックになっていくんだろうが…。 |
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