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2015.06.27 Saturday
まだ夢を見ることを許された時代
ドラマの最後にこのフレーズが流れた。
「まだ夢を見ることを許された時代」という言葉。 もうすぐ還暦という自分を振り返ると、この言葉がちょっと重い。 夢を見ることが許された時代、というのは夢を人に語っても、聞いてくれた時代という感じだろう。 年をとるともう聞いてくれないか、聞いてくれたとしても、真面目には聞いてくれない。 お互いに夢を語ることができた時代、ということかな。 そうなると、学生時代ということになる。 学生時代には夢があった。 将来、望めば何にでもなれると漠然と思っていた。 今となってはバカみたいだ。 ぼくは高校の頃左翼シンパだったので、「革命」という言葉に憧れがあった。 何となく、世の中が変わることに、わけもない期待があった。 それを夢と呼べば呼べるかもしれない。 実際、漠然と夢見ていただけで、何もしなかったのだ。 今となっては、それでよかったと思っている。 会社に入るときは、「いちご白書をもう一度」の世界だった。 就職が決まってうれしいというより、何だか自由な世界から別れるような気持ちだった。 あの頃の、左翼シンパの学生はみんなそんな感じだったと思う。 まだ学生運動の残り火が残っていたころだった。 会社に入って仕事をするうちに、だんだんと革命の夢は消えていって、30代の頃には、完全に消え失せた。 あれは、社会に対して何の責任もなく、義務も意識せず、勝手なことを夢見ていたのだと思う。 時代の雰囲気もあったのだろう。 回りのせいにするわけではないが…。 そういう時代を経て、60歳近くまで生きてきた。 ベルリンの壁が崩れ、ソ連はなくなり、中国は市場経済を導入して今やGDPが世界2位になった。 9.11が起こり、アメリカの一人勝ちは終わり、世界でテロが多発し、イスラム国ができた。 人間の活動が地球の規模で気候を変えているのかもしれない、という状況もでてきた。 結局何が正しいのかはわからない。 人の数だけ正しいことはある。 ぼく1人があがいても、世の中何も変わらない。 そんな諦めもある。 しかし、もう少しだけはあがいてみようと思う。 もう夢は見ないが…。 |
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