考えたこと2

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職業訓練校
大学の業界に、大きな変化が訪れようとしている。
首相が議長の産業競争力会議で、「経済成長に向けた人材を育成する高等教育機関を設立」する方針が決まった。
平成31年度に開校を目指すとのこと。
「実社会のニーズに合わせた職業教育を行う新たな高等教育機関制度を創設し、学校間の競争を促す」というのが趣旨。

今の大学では、産業界が求める実務的な教育ができない、ということから、ITなどの成長分野で職業教育をするということらしい。
もちろん、社会人の入学も可能にして、キャリアアップへの活用を促すということだ。
でも、これ以上大学を増やすことは得策ではないから、大学や短大や専門学校からの移行を進めるのだろう。

これは既存の大学には大きなインパクトがあると思う。
すんなりと決まるとは思わないが、方針としてはアリだろう。
専門学校は移行するところも多いし、短大も長期的には厳しいから移行するだろう。

問題は大学だが、これで影響を受けるのは主に下位校になる。
今定員割れしている、あるいはここ数年で定員割れの恐れがある大学は、どうするか迷う所だと思う。
ここで問題になるのは、新たな大学(どういう名前になるのかは知らないが)のカリキュラムには、ほとんどの大学教員が要らないということだろう。
下位校の大学教員にとっては、仕事がなくなるというピンチなのだ。

現実を見ると、大学はどんどん専門学校化している。
多くの看護学科・学部が新設されているのは、その現れだ。
看護師が足りないこともあるが、専門学校でできることを大学が取り込んでいる。
受験生も出口のことを考えるて、そこに集まるからだ。

ということで、一番割を食うのは、文系の弱小私学だろう。
1990年代以降に開設された、比較的小規模の大学は、少子化で経営が苦しい。
制度設計にもよるが、一部のマンモス私学も不採算部門を切り捨てて、移行するかもしれない。

しかし、この移行には前述したように、多数の大学教員の入れ替えが必要だ。
ここに、教授会の壁が立ちふさがる。
自分たちの仕事がなくなるような移行は、教授会は許さないだろう。
多くの大学で、ガバナンスの強化が行われており、教学以外のことは学長や学部長を主とする会議体に移行しているが、それでもまだ教授会の力は強い。

一体どういう形で決着がつくのか、想像もつかない。
たくさんの揉め事が起こり、不毛な議論が続くと思う。
ワンマンの学長や理事長がいるところは、比較的スムースだろうが…。

実際、下位校では職業訓練校に移行したほうが、いい教育ができるところがほとんどだろう。
今の初等・中等教育が変わらない限り、大学は変わらざるを得ない部分がある。
それを強行するのが今回の意図だろう。

どのみち、変わらなければ潰れるのだ。

きっとすんなりとは決まらない。
「学問の価値」とか「高等教育の重要性」とかいう話題になるのだろう。

でも、本当に生徒のことを考えたら、結論を出すべきだと思う。

どうなっていくのか、興味深い。



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