考えたこと2

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労働者の未来
グーグルで自動運転の開発をやっていた人が、自分が創業した教育企業に転出したという記事があった。
セバスチャン・スランという。この人はAI(人工知能)の研究者。
元スタンフォード大学でAI研究所長をやっていた。

教育企業に転身したのは、機械の味方ではなく人間の味方をするためだという。
今のアメリカの労働者の平均在職年数は5年以下らしい。
ぼくらの時代は、たいがいの人は1社か2社で労働の人生を終えることが多かった。
アメリカでも同じような状況だったはずだが、今はどんどんスキルの要らない仕事がコンピューターに置き換えられ、仕事を得ようと思うと、スキルアップが必要になっているらしい。
だから、平均在職年数が少なくなっている。
実際に人が機械に置き換えられているということだ。

記事はこう書く。

「我々は機械が人間の仕事を代替するという、非常に根源的な変化の中にいる。歴史を振り返れば、かつての農業社会が機械の発明によって製造業中心の社会に移行し、その後のロボット技術の発達を受けて現在はサービス業中心の社会になっている。しかし、その状況も変わりつつある。今後はあらゆるサービスが自動化され、人事、金融、税務、教育、公共サービス、医療などが劇的に効率化し、人間の雇用は激減していくだろう。ごく一部の人だけが真に意味のある、満足のいく仕事に就ける一方、その他大勢の人々は機械に対する競争力を失い、仕事があるだけで御の字という底辺に沈む世界が来る。」

すごい予想だが、実際にそういうことが起こっている。

レジのブラインドタッチというスキルを必要とされたスーパーのレジ係は、時給1000円足らずの学生のアルバイトでも置き換え可能な仕事になった。
バーコード、読み取り機、レジスターというシステムでそれが可能になった。
今や銀行のコールセンター(電話での問い合わせに答えるところ)も、質問をコンピューターに入力し、それで示された答えを言うだけでよくなりつつある。
銀行の業務の知識よりも、愛想の方が大事な時代になるのかもしれない。

「テクノロジーは中間業者を淘汰し、雇用のあり方を激変させている。我々の仕事はますます不安定なものになり、何度も仕事を変えながら生きる人が増えるだろう。」

そういう事態がアメリカでは、平均在職年数5年以下という数字に影響しているのかもしれない。
もちろん、アメリカはスキルアップして、仕事をどんどん変わっていく社会だから、そうなっているという側面もあるが…。

日本の平均在職年数という数字を探してみたが、よくわからない。
でも、在職年数5年未満という人のパーセンテージは、2006年時点でアメリカが50%を超えるのに対して、34.8%になっていた。
日本はまだまだ終身雇用の国なのだと思う。

スラン氏は静かに機械が人間に置き換わる、シンギュラリティーは起きている、という。

たしかにそうかもしれない。

コンピューターができて、経理システムができ、たくさんのソロバンや電卓を使っていた経理部の人たちの仕事はなくなった。
学生アルバイトが仕事ができるのも、コンピューターの技術が発達し、「スキルが必要な仕事」が「そんなにスキルが必要とされない仕事」に変わってきたからだ。
そういう仕事がたくさんできてきた。

日本にとっては、少子化が進むので、ひょっとしたらいいことかもしれない。
労働者の数が少なくても、オペレーションはできる。

「おもてなし」は人間ができる仕事として残るだろう。
いや、機械学習でロボットの方がいい、という時代が来るだろうか…。

人類はそういう時代に生きている。

そうなのだ。
2000年代あたりから、もう始まっていたのだ。

だから、スラン氏は教育業界に転身した。
大学レベルのオンライン講座をインターネット上に開設し、登録者数は300万人を超えたという。
ここで、最新のスキルを身につけて、仕事をしていってほしい、ということだ。
大学のように4年もかけてられないからなあ。
スキルのサイクルが短くなって、一生勉強の時代になったということか。

言い古されているが、「就社」ではなく「就職」の時代なんだと思う。



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