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2015.04.22 Wednesday
音楽のデーター化
WindowsがXPになって、CDがパソコンの主要メディアになって、音楽CDがいつの間にかコピーできるようになった。
CDを買わなくても、レンタルショップで借りて、自分のパソコンで同じものを作れるようにもなった。 初めてそれに気づいた時、喜んだものの、エライ時代になったなあとも思った。 なんでも、日本レコード協会(名前が古いぞ)によると、1998年には6000億円ほどあった音楽の商品市場は、2014年に2500億円ほどに落ち込んだらしい。 十数年かけて、半分以下になってしまった。 でも、みんなが音楽を聞かなくなったわけでない。 逆に、携帯音楽プレーヤーやスマートフォンに入れて、移動中に聞いている人は多い。 容量も大きくなって、若い人は何千曲というデーターを持ち歩いている。 音楽が身近になったのだ。 家で楽しむにしても、Youtubeを開けば、いろんな音楽が楽しめる。 古いジャズやポピュラー音楽なら、音質を我慢すればいくらでも見つかる。 音楽を聞きたい人にとっては、便利になった。 iTunesとかアマゾンでデーターを買うこともできる。 1曲数百円だが、まとめて買うと安くなったりする。 ジャズなど、古い名演が50曲で900円とかいう値段で売られている。 ただし、圧縮されたデーターで、音はあまり良くない。 録音が古いので、もともと音質はよくないのかもしれないが。 一方、いい音で聞きたいと思えば、それなりにお金がかかる。 スピーカーやアンプにカネをかけることになる。 でも、昔ほどお金をかけなくても、そこそこいい音で聞ける時代。 どんどんデビューするミュージシャンもいる。 ストリート出身やYoutubeから出てくる人もいるらしい。 食えるかどうかは別として、ミュージシャンの敷居はかなり下がった。 デジタル化でレコーディング機材も安くなったし、楽器の値段も下がった。 デスクトップミュージック(DTM)ソフトとパソコンがあれば、楽器がなくても作曲してカラオケが作れる。 1万円ちょっとあれば、エレキギターが買える。 チューニングができなくても、今は千円以下でチューナーがある。 習うのも、ネットで見れば、簡単だ。 スタジオも安く借りられるところが多い。 それどころか、友だちを呼べば、簡単にアマチュアでも出演できるところもある…。 要するに、音楽が希少材から消費財になってしまったのだろう。 モノはコモディティ化(消費財に近づくこと)すると、値段が下がり、品質は気にしなくなる、という性質がある。 レコードの時代から、CDの時代を経て、データーの時代を迎えた音楽は、その道をたどっているように見える。 いったんコモディティになってしまったものは、価値が上がらない。 結局、以前は限られた運と才能がある人だけがやっていた商業音楽を、誰もができるようになった、ということだろう。 音楽ビジネスは過渡期だと思う。 これから、どうなっていくのかはわからない。 |
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