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2015.01.04 Sunday
立場
前に書いたことだが、若い頃は結婚式に出ても、新郎新婦の立場で見ていた。
ところが、あるとき突然、それが親の立場になった。 そういう立場になってしまったら、そういう見方に自然になるのだろう。 それに気づいた時は、自分でもびっくりして感心した。 時は流れて、ぼちぼち介護をする年代になった。 だから、そういう話を聞いても、介護する側の立場で聞いてしまう。 それが自然だ。 しかし、若い頃のことを考えると、もう一回立場は変わる。 今度は介護される側の立場になって、そういう話を聞かないといけないのだろう。 まだまだ、そういう時期にはならないが、いずれ来る。 その前に死ねばいいのだが…。 つまり、生まれてずっと子供の立場で生きているが、どこかで親の立場になり、そして、年寄りの立場に変わるということだ。 それが、現代の人間の役割の変化というものだろう。 しかし、これはつい最近のものだ。 長らく人間は子供と親の立場だけだった。 そんなに長生きしなかったからだ。 人類が進歩し、環境がよくなり、食べ物もよくなって、医療や福祉がいきわたり、新たな立場が追加された。 それが年寄りの立場。 この新たな役割をどう演じていくか、まだ答えは出ていない。 ずーっと死ぬまで元気でいれればいいのだが、そうもいかないだろう。 そんな風に死ねる人はラッキーだ。 この問題を遺伝子工学は解決できるのだろうか。 単に寿命を伸ばす遺伝子を見つけるだけではいけない。 若くいられる遺伝子を見つけないといけない。 身体中の細胞の老化を食い止める遺伝子だ。 しかし、そういう遺伝子が見つかって、人間の寿命が伸びて、若くいられるようになっても、それはそれで問題だろう。 人口が増えすぎるのと、仕事が減るからだ。 ぶっちゃけた話、平均寿命が100歳になって、定年が80歳まで延長されたら、日本はちょうど労働人口を維持するためにはいいが、世界で見たら問題だ。 人口が増えすぎてしまう。 どうも、どこかで個人にとっていいことと、人類にとっていいことが食い違ってくる。 そういう矛盾を遺伝子工学は持っているのだろう。 ややこしい話だ。 |
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