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2014.06.07 Saturday
音楽の価値
昔はLPレコード1枚が2000円くらいだった。
ひと月の小遣いが飛んでいく値段。 だから、買う前にはいろいろと調べた。 ラジオなどで聞いたり、雑誌を見たり…。 そして、買ったら何度も聞いた。 それこそ、レコードが擦り切れるくらい聞いたものもある。 ビートルズの赤と青のアルバム。 キャロル・キングの「タペストリー」「ミュージック」。 5thディメンションの2枚組のベスト盤。 ビージーズの2枚組のベスト盤。 中学から高校の頃は洋楽がメインだった。 あの頃の音楽は、気合を入れて聞くものだった。 ちゃんとレコード盤を拭いて、ターンテーブルに載せ、針を置く。 スピーカーの前に座って、ジャケットを見ながら曲を聞く。 そんな儀式めいた聞き方だった。 何かしながら聞いたら、音楽に悪い、という感じすらあった。 それが今はコンピューターの中に音楽データーがあって、クリックすれば再生できる。 90曲500円のデーターもある。 たいがい、何かをしながら聞くものになった。 ぼくもこれをパソコンで打ちながら、70’sベストという50曲500円のアルバムを聞いている。 ツタヤなどのレンタルショップができて、音楽が借りられるようになった。 その次はデーター化し、受け渡し可能になった。 そんなわけで、CDの売上が減った。 99年に5695億円だったCDの生産総額は2013年に2705億円と半分以下にまで減少した。 音楽の価値は相対的に下がったのだと思う。 それだけ一般化したのだ。 歩きながら、運転しながら、勉強しながら、仕事しながら、運動しながら音楽を聞くことができる。 ウォークマンができて、それがipodに取って代わられ、今はスマートフォンでも聞ける。 インターネットさえあれば、クラウドから再生できる。 ちいさなプレーヤーをつないで、家では大きな音で聞けるようなシステムが安く売られている。 最新機器では無線で音楽データーを飛ばし、再生するアンプやスピーカーも出てきている。 あの、儀式めいた音楽の聞き方はもはや過去のものになった。 でも、それだけ音楽を聞く機会は増えている。 生活の一部になっているということだ。 それはいいことだ。 でもなあ…。 |
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