考えたこと2

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動物看護学部
2009年に認可されたヤマザキ学院大という大学が東京にある。
ホームページによると、動物看護の専門学校と大学を持っている。
もともと、ペット関係の事をやっていた法人。2009年に短期大学をやめて大学を開いたということらしい。

専門学校は2年制だが、調子が悪く、定員を満たしていない。
大学の状況を見てみると、1年、2年は定員を満たしているが、3,4年は退学者もいるのだろうが、定員を満たしていない。
まあ、図式としては専門学校、短期大学で定員を集めることができなくなってきて、大学を申請したという格好。

しかし、文部科学省がよく認可したものだ。
動物看護学部動物看護学科という学部学科を設立したということは、文部科学省が識者を集め、「動物看護学」を学問として認めた、ということだと思う。
動物看護学士を生み出すわけだから。
動物看護学が認められたということは、動物看護師もそのうち認めるということかもしれない。
しかし、動物看護師というのは厚生労働省の管轄なのか、それとも文部科学省の管轄なのか、どうでもいいことだが…。
たしかにペットの数は増えているし、高齢化に伴ってペットの重要性は増している。
老犬や老猫のホスピスもあるくらいだ。
しかし、動物看護という学問があるとは思えないのだが…。

というのも、動物はこうしてほしいとか、ああしてほしいとか言わないからだ。
看護というのは、患者の気持ちに沿って行うものだと思う。
その気持がわからないから、看護のしようがないのではないか。

だいいち、動物たちは本能にしたがって生きている。

こないだ、足が3本しかない障害犬の事をテレビでやっていた。
カリスマトレーナーの言うことには、犬は他犬の障害など気にしないとのこと。
哀れみや同情などないし、気にしないという気さえないという。
障害犬の方も、自分のことを障害があるとは思っていない。
3本足でやれる範囲のことをやって、それで満足というか、文字通り自分の与えられた条件のなかで生きていくだけだ。満足という充足感もないだろう。
動物たちは与えられた今を生きているだけだ。

ペットの擬人化はやってはいけないことだと思う。
カリスマトレーナーも言っていた。
その動物は、その動物として生きるのが一番幸せなのだろう。
特にイヌは擬人化されやすい。
群れで行動する動物で、人に懐くし、賢ければ命令も理解する。
だから、人間のような感情を持って生きていると思いがちだ。
でも、そうではないと理解して、人間とペットの境界をちゃんと引いてはじめてペットとのいい関係が生まれるのだと思う。

調べてみると、アメリカには動物看護師に相当するものはあるが、この資格は獣医師のアシスタントである。
動物の「レントゲン撮影、カテーテル挿管や麻酔といった高度な医療技術を習得しており、獣医師に準じた獣医療提供者と見なされている。」というのが「Veterinary Technician」という資格。Veternityとは獣医とか家畜のことだ。短期大学で取ることができる。

イギリスはもっと難しい。
四年制大学で「Veterinary Nursing(獣医看護師)の学士号も取得可能」と書いてあった。しかしこの看護師というのは、「獣医師の指示なく注射、投薬といった業務が認められている」とある。
結局は獣医師の仕事の範囲の一部をカバーするということだろう。

だから、「看護」という言葉は合っていないと思う。
看護というより、客観的に動物の病気がわかった時に処置をする人、ということだ。

どうも、日本語で看護というと、患者の気持ちに寄り添って…、という感じになる。
また、日本人はそういうことができると思っているフシがある。
それは大きな間違いだと思う。

ここは素直に獣医アシスタントと言ったほうがいいのではないか。

このヤマザキ学院大が文科省から指摘を受けているのだが、それはまた別途。


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