考えたこと2

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新入社員のタイプ
毎年、日本生産性本部がその年の新入社員のタイプを発表している。

今年のタイプは「何事も安全運転の自動ブレーキ型」。
「頭の回転は速いけれど、困難な壁はぶつかる前に未然に回避する傾向がある」とのこと。
なるほど。

ちなみに、2013年は「ロボット掃除機型」。
「部屋の隅々まで効率的に動き回り家事など時間の短縮に役立つが、段差(プレッシャー)に弱く、たまに行方不明になったり、裏返しになってもがき続けたりすることもある。能力を発揮させるには環境整備(職場のフォローや丁寧な育成)が必要」だった。

2012年は「奇跡の一本松」。
この年は東日本大震災の翌年で、厳しい就職状況の中でも耐えて頑張ったということだ。

毎年いろいろなネーミングで面白い。
ここ数年ではやはり「ロボット掃除機型」が秀逸。
うまいこと言うなあ、と自分が若いころを棚に上げて思う。

しかし、ロボット掃除機型で言っていることは、いつの新入社員にもある程度は当てはまると思う。

ぼくらの頃と違うところは、3点。

 ・効率的に動きまわらない
 ・時間の短縮に役立たない
 ・行方不明にならない

全体的に、昔の新入社員の方が能力が低かったと思う。
今の方が技術の進歩が早く、新しいことには新入社員のほうが有利だろう。
だから、効率的とか時間の短縮というようなことなら、今の方が上だと思う。
一方で、行方不明になるような新入社員はいなかった。

中小企業の社長に聞いたが、ある日突然来なくなったりするらしい。
驚いたのは彼女にふられたショックで、電話で辞職を告げ、会社に来ないという男性社員の事例。
社長が家まで行って辞職をとどまるよう説得したとのこと。
そういう事例には事欠かないらしい。

ぼくは、会社で働くイメージなど全く持っていなかったが、当時の新人はみんな働かないといけないと思っていた。

「いちご白書をもう一度」の世界だった。

「就職が決まって、髪を切ってきた時、もう若くないさと君に言い訳したね」という世界だ。
就職とは、学生時代に別れを告げて、社会人になることだった。
学生と社会人の距離は「気分的に」今より離れていたと思う。
学生生活は、自由でどちらかというと反体制的なものだった。
その学生から、社会人という「体制」に組み入れられる、というのが精神的な「溝」になっていたと思う。
就職したら、もうバカな遊びはできないし、体制側の人間として社会の秩序を守らないといけない…、そんな感じだった。
だから、就職を決めたら、もう戻れない道に踏み出したのと同じだった。
「学生」と「オトナ」は違うものであり、就職は「オトナ」へのジャンプのようなものだ。
それだけ、「社会」というものを意識していたんだと思う。

だから、そう簡単に辞めるようなことは考えない、というか、そんなことも意識しなかった。

多分、今の若い人にはそのような「社会」や「オトナ」に対する意識が薄いのだと思う。

今の若者にとって、「社会」というものが、はっきりしなくなったのだろう。
ぼくらの若い頃は、「保守と革新」とか、「自民と社会」、「資本主義か社会主義」というような軸があった。
その中で、自分の位置がどこにあるか、決めやすかったと思う。
そういう軸が今はなくなったから、自分で自分の場所を決めないといけなくなった。
社会とは…、なんだかわかりにくくなっている。

「オトナ」がオトナらしくなくなった、とも言える。
世の中から権威がなくなった。
先生も博士も政治家もみんな偉くない。
それどころか、悪いことをする人になった。
今、どこにもエライ人はいなくなった。
今の若い人にとって、「オトナ」は選ぶものになったのではないか。
「コドモ」みたいなオトナが増えたということもあるだろう。

そんなワケで、今の若い人は昔に比べて社会にでるときに「もう戻れない」という覚悟が薄い。
だから、行方不明になる人が出てくる。

きっと今の若い人たちは、自分を社会の中でうまく位置づけることができないのではないか。
社会人になる「覚悟」を持ちにくい社会なのだ。

そんな「ロボット掃除機型」なのだろう。


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