![]() |
2014.01.19 Sunday
成人の日
過ぎてしまったが、成人式というと思い出すことがある。
ぼくが勤めていた会社では工場で成人式をやっていた。 あれは確かぼくが40代の頃。1月の16日だったと思う。 元の上司が名古屋の工場の生産技術課長になって、転勤した。 その人に電話をかけたら、女性が出てきて言った。 「A課長は今成人式に出ています。」 工場で成人式をやっているとは思っていなかったぼくは返事をした。 「Aさんはもう20歳は超えていると思うのですが…」 そんなリアクションがあると思っていなかった相手の女性は、無言で困っていたようだ。 その時に、工場は高卒の方が多いので、工場内で成人式をやる、ということを知った。 もちろんA課長は登壇して祝う側として出ていたのだ。 あとで電話がかかってきて、「しょうもない冗談を言うな。工場はみんなまじめなんやから」というお叱りをうけた。 昭和30年代は中卒が金の卵と言われ、農村部からたくさんの就職者が都会に出てきた時代。 今はさすがに中卒で働く人は減り、高校進学率はほぼ100%になった。 でもまだ大学進学率は50%そこそこであり、4割は高校を出て働いている。 そういう人たちをたくさん雇っているところで、交代勤務のところは工場での成人式ということになるのだろう。 日本が高度成長していた頃は、本当に人が足りなくて、そういう若い労働者が求められた。 だから、働く環境としては辛いことやシンドイ事もあっただろうが、基本的にいてくれないと困る、という感じがあった。 でも、今は低成長になり、バブル崩壊以降、成長が鈍化した年数も20年になろうとしている。 今の20歳の人たちは、成人式をどう思っているのだろうか。 一時ほど荒れた成人式というのはなくなったようだが…。 ちょっと前までは高卒で工場で働く人はたくさんいた。 今はどれくらい雇っているのだろう。 工場もぼくがやめる頃には本当に変わっていた。 入った年に工場実習があり、そこで働いたときにはたくさんの人がいた。 重いものを持つ仕事もたくさんあった。 しかし、今はみんなコンベアになったり、自走式のロボットになった。 驚くほど熱効率が良くなり、昔のように暑くなくなった。 機械からの廃熱が減ったのだ。 それは働く人にとって、いいことだろう。 でも、確実に雇用機会は減った。 だから、成人式もきっと祝われる側は少ないだろう。 それはいいことなのだろうか…。 |
![]() |