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2014.01.11 Saturday
古き良き時代の人
息子が「お父さんは古き良き時代の人やろ」と言った。
就職のことを話していた時に「とりあえず3年勤める気持ちで会社を選んだらいいと思う」と言った言葉が意外だったようだ。 「21世紀は20世紀とは違うから…」というような言葉も想像していなかったのかもしれない。 今の20代の子供にとって、親の世代は本当に「古き良き時代の人」だろう。 親の世代は高度成長の時代と80年代のジャパン・アズ・ナンバーワンの時代を生きてきた。 明日は今日より豊かというのは、口には出さなくても、みんなが感じていた。 会社は大きくなり、ポストは増え、誰もが役職者になれた。 日本製品は世界を席巻し、メイドインジャパンは高品質の代名詞になった。 それに比べて、今の20代の人達は気の毒だ。 生まれてからずっと低成長。 バブルが崩壊して、不良債権を抱えた金融機関を税金で助け、モラルハザードを起こした。 センセイも政治家も悪いことをするのが当たり前。 世の中から権威がなくなったと同時に、権利意識が増大し、義務の意識は希薄になった。 本当に苦しい時代だから、かえって苦しいと言えない。 そういう意味で、子供のいうのは正しい。 しかし、ぼくらの時代の価値観で生きてはいけないと思っている。 21世紀の基準は20世紀のぼくらとは違う。 就社ではなく就職の時代。 会社を選んで入っても、転職が当たり前の時代になる。 非正規社員が増え、非正規社員が普通になる。 つまり、最終的にはアメリカのような雇用形態になるのではないか。 もちろん100%そうなるわけではないが、今の「正社員」と言われている人たちは一握りの人になるだろうと思う。 個人がスキルをつけ、評価され、プロモートされる時代が来る。 逆に言うと、ずっと同じことをやっていても、給料は上がらない。 そういう時代を迎えようとしている。 人は時代を選ぶことはできない。 選んで生まれてくることはできないからだ。 否応なく、その時代を受け入れて、適応していかなければならない。 もう57歳。 古き良き時代の人だ。 しかし、そのままでいいとは思っていない。 |
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