![]() |
2013.11.09 Saturday
オトナのセリフ
ケーブルテレビに時代劇専門チャンネルというのがあって、最近よく見る。
古い時代劇のドラマをハイビジョン化して放送したりしている。 昔はたくさん時代劇をやっていた。 アメリカの西部劇みたいなものだ。 ぼくらの世代なら、水戸黄門を筆頭に、遠山の金さん、大岡越前、銭形平次など知らぬ人はいないだろう。 それくらい時代劇は身近なものだった。 今のドラマのように、出演者の年代が若くない。 10代の出演者など一人もいない。 北大路欣也が主演していた、関八州捕物控えというシリーズがある。 2007年に8回シリーズで放映されたらしい。 もっと続けるつもりが視聴率が低かったんだろう。 いま見ても面白いのだが…。 オトナが出てくる番組では、オトナのセリフが語られる。 最終回で主人公はこう語る。 「人はいつか己の生業のためだけに生きていけなくなる」 ほとんど出張で、関東の諸藩を回るという仕事だが、主人公には幼い娘が一人いる。 母親は早くに亡くなった。 叔母がほとんど娘の面倒を見ている。 そんな娘がいじらしくて、ぼちぼち仕事を辞めようという時のセリフだ。 好きでやっている仕事だが、娘のことを考えるといつまでもやっていられない。 家庭と仕事の葛藤に悩む。 結局は娘が今の仕事を続けてほしい、ということで、めでたしめでたしとなるのだが、今のテレビで「生業」という言葉を聞くことは珍しく、新鮮だった。 時代劇というか、ドラマは予算がかかるということで、今はものすごく少なくなった。 77年には週に32本もあったらしい。 どこのチャンネルを回しても、作るのが楽なバラエティ番組ばかり。 たまにドラマをやっていても、出演者のほとんどは役者とはいえない、素人みたいな芸人や歌手ばかり。 日本では、まともなドラマは映画でしか見られなくなった。 もう地上波のテレビは終わっているのだろう。 |
![]() |