![]() |
2013.09.22 Sunday
5時からの男
昔8時半の男、という言葉があった。
リリーフピッチャーの宮田という男の代名詞だった。 それに倣って、5時からの男というのもあった。 夕方の5時から、働き始める(別にそれまで遊んでいるわけではない)。 スロースターターで、5時まで色々と考える。 そして5時に実験室があくと、おもむろに取りかかる。 残業代が欲しいわけではない。 設備が5時からあくから、そこから仕事をするだけだ。 そんな人がぼくのいた会社にはごろごろいた。 実験という部署だった。 当時ぼくは考えるより、とにかくやる方だった。 仕事がたまるのがイヤなのだ。 たまった仕事が形となって実験室に積み上げられる。 テストをしないと終わらない。 だから、とにかくテストをやって、片付けていた。 でも、5時からの男は、夕方おもむろに実験室におりてきて、ああでもない、こうでもない、と仕事をスタートする。 当時、ものが片付かず、イライラしたこともあった。 今となっては、知らなかったとはいえ不心得を恥じるばかり。 いろんな問題を5時からの男は解決した。 ぼくにはマネができなかった。 そんな粘り強さや賢さがなかった。 横目で見ながら、とにかくためないように片付けた。 そんな若い頃だった。 でも、今でも仕事がたまるのは嫌いだ。 昔よりはマシになったが…。 |
![]() |