考えたこと2

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藤本義一
藤本義一、というと読売テレビで、イレブンPMの司会をしていた作家。
平成生まれの人は知らないだろう。
ダンディーな人だった。
いつもブレザーを着て、アスコット・タイをつけていたような印象。

作品は残念ながら、読んだことがない。
ラジオ、テレビ、映画、舞台などの脚本を数多く手がけたと思う。

話術も巧みで、まるで落語家の枕を聞いているかのような話もできる。
笑いについても一家言あり、明石家さんまや島田紳助、松本人志といった芸人は酷評された。
今の日本の笑いを考えると、この藤本義一の評価は正しかったと思う。
笑の会という、漫才師や漫才作家の会の代表を務めていたこともあった。

たしかに、今の日本では、明石家さんまや、今はもういない島田紳助は人気がある。
藤本義一が酷評した芸人は売れる、というジンクスまでできたらしい。

しかし、藤本義一が言いたかったのは、文化としての笑いの質、だと思う。
そんな笑いで、笑っていていいのか、ということだ。
さんまや紳助の笑いは、彼らを知っている人には面白いが、知らない人が聞いても全く面白くない、という笑いだ、ということを藤本義一は見抜いていたのではないか。
きっとそうだと思う。

その背景を知っている人だけが面白い、という笑いを「楽屋落ち」という。
今や日本中「楽屋落ち」だらけだ。
日本中が楽屋になってしまったのが、今の状態だろう。
それを日本人が選択するのなら、仕方がない。
ぼくには止める力もないし、義理もない。
きっと草葉の陰で藤本義一もそう思っているに違いない。

ぼくにとっては、作家というより「タレント兼笑の会の代表」という存在。

関西がメインで活動していたが、ぼくらの世代以上なら確実に知っている人だ。

その藤本義一が亡くなった。
10月30日。
79歳。

田辺聖子や桂米朝らが死を悼んでいる。

白髪のダンディー。

合掌。


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