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2012.08.20 Monday
ウザい
「ウザい」という言葉、ぼくらの若い頃は使われていなかった。
しかし、「うざったい」という言葉は使わないが、存在は知っていた。 マンガの吹き出しに入っていたりしたのだろう。 この「うざったい」という言葉の意味は、「俗に「鬱陶しい」を表した語で、東京多摩地区の方言」ということ。 何となく、意味はわかっていた。 ウザいはその略で、「東京の若者の間で広く使われるようになり、全国に広まったもの」と語源辞典に書いてあった。 気持ち悪いをキモいと略するのと同じ方式だ。 要は「うっとうしい」、という意味。 東京発の流行語?だ。 気がついたら、若い人はみんな使うようになっていた。 でも、関西では東京ほど使われていないのかもしれない。 この語感はすごくよくわかる。 「ウザい」と言われると、近寄れない。 もともと、うっとうしいという言葉は、自分に過度に関わられるのが気持ち悪い、というような意味で使っている。 自分に関わらなくても、「うっとうしいヤッちゃなあ」というと、何か「障害になる存在」という感じだ。 それをもっと強くしたのが、「ウザい」という言葉になったという感じがする。 この「ウザい」という言葉といじめは関係があるのではないか。 「ウザい」から「いじめる」というのは自然なつながりだ。 人間は、言葉を作って自分の考えや思いを伝える存在だが、その言葉が逆に行動をうながす場合もあるのではないか。 自分の中にある醜悪な感情に名前をつけると、「ウザい」という言葉になった。 そんな感じがする。 だから、「ウザい」はいつも「ウザい!」という感嘆符がつくような気がする。 同様の言葉に「キモい」があるが、どちらも1980年代あたりに出てきた言葉。 http://www.geocities.jp/hpcriticism/oc/ijime.htmlによると、最初にいじめの記事が出たのが1978年ということだ。 そして、1985年に最初のいじめ自殺があったということも書いてある。 80年代に「ウザい」という言葉ができて、いじめが出てきたのか、それともいじめが出てきたから、「ウザい」という言葉ができたのか、難しいところ。 とにかく、「ウザい」は時代の雰囲気を表した言葉だったのだろう。 ということは、この言葉が流行っている限り、いじめはなくならないかもしれない。 |
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