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2012.05.14 Monday
ベンツのBクラス
新しいベンツのBクラスを宣伝している。
BクラスというのはベンツのFF車。もう一つ、Aクラスというのもあるが、これは小型FF。 FFというのは、Front engine Front driveの略で、前にエンジンを積んで、前輪を駆動するというもの。 日本のメーカーでは当たり前の方式だが、ベンツにとっては結構歴史が浅い。 そのためか、どうもこのBクラスという車は、ベンツらしくない。 どうせ買うのなら、もう100万出してCクラスを買う。 CクラスはFR(Front engine Rear drive)、つまり後輪駆動だ。 だいたい、BMWやベンツは後輪駆動の車だ。 舵を取る車輪と、駆動する車輪は役割が違う。 足が速い動物は、後ろ足で蹴って前に進むものだ。 だから、FRが自然の姿になる。 さらに、FFは前に荷重が集中する。 どう頑張って設計しても、前後の荷重が6:4くらいにしかならない。 理想的には5:5だ。 それを実現しようとすると、どうしてもエンジンは前で駆動輪は後ろになる。 部品の数もFRだと多くなる。 ドライブシャフトという、エンジンの回転を後ろに伝える装置が必要になる。 FFだと単に転がっているだけの後輪だが、FRだと駆動力を与えるという役割がつく。 つまり、4つの車輪を有効に使えることになる。 だから、Bクラスはどうも好かない。 ベンツの設計哲学には相反している。 ドイツでは、ベンツ車が事故を起こすと、警察よりも早くベンツ社の調査隊が来るという。 リアルワールドで起こる事故を調査し、それを製品に活かすためだ。 そのデーターベースのおかげで、日本車も助かっているという。 そういう会社だからこそ、Bクラスを出されると、ちょっと…、と思う。 ベンツにもベンツの事情があるだろうし、仕方のないことなのだが…。 |
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