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2012.04.08 Sunday
無常
日本人は世の中は無常だと思っている。
あらゆるものは永遠には存在しない。 永遠に存在しないばかりか、一生のうちになくなるものも多い。 平家物語の「祇園精舎の鐘の音…」、鴨長明の「ゆく川の流れは絶えずして…」という有名な書き出しは、多くの人が共感するものだ。 だから、起こってしまったことには、諦観がある。 リンボウ(林望)先生が言っていたが、原爆が落ちても、これは日本が海外に侵略したから、仕方がない、と諦める。 アメリカに対して、投下を断罪するというような人はほとんどいない。 そういうことをするのは、性に合っていないのだ。 原爆の慰霊碑文には「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」と書いてある。 誰の過ちかというと、戦争を起こした日本の過ちと思う人がほとんどだろう。 どこかの国なら、「1945年8月15日にアメリカが原爆を落した」と書くのではないか。 落ちてしまったものは仕方がない、という思いが日本人の気持ちだろう。 きっと世界では珍しい考え方だと思う。 そんな考えをもっているから、外交など全くダメだ。 強いことを言われると、譲ってしまう。 「どうせ無常なんだから…」と担当者は思っているのだろう。 そのとおり、世の中は変わっていくから、今の譲歩はかまわない。 国民も通り一遍の文句は言うが、無常だとわかっている。 世界中のすべての人が日本人のように無常観を持っていれば、平和になるだろう。 憲法9条が変わらないのも、日本人が別にそれでかまわないと思っているからだろう。 実際、地球が永遠にあるものでもないし、いずれは太陽に飲み込まれて消え去る運命だ。 やっぱり、世の中は無常なのだ。 この国民性は変わらない。 それで日本人が滅びても、いいではないか…と心の底で日本人は思っている。 |
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