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2012.03.24 Saturday
電気製品
今の学校はいろいろ変わった。
電気の授業では回路図とかオームの法則は教えるが、交流をACと呼ぶというのは習っていないと言う。 だから、ACアダプタは交流を直流に変えるものだとわからない。 言えばわかるのだが…。 使っている電気製品、特にデジタルのものがほとんど直流(DC)で動いている、ということも当然わからない。 別にわからなくても生活はできる。 しかし、ACとDCが何を意味しているかわからないというのは、困ったものだ。 デジタルの時代にはそんなものは知らなくてもいい、ということだろうか。 どれくらいの人が、直流と交流を意識しているのだろうか。 ぼくはそれを意識している人の数は、確実に減っていると思う。 電気製品がブラックボックスになったからだ。 今のデジタル機器など、修理はメーカーに送らないとできない。 昔のテレビは「接触が悪い」とよく映らなくなった。 そのときは、チャンネルをガチャガチャ回して、映るところを探す。 ちゃんと映る場所を探して、絶妙のところで止める。 小学生でも、それをやっていた。 ひどいときは番組見たさに、じっとチャンネルを押さえているということもやった。 文字通り、接触型のチャンネルだったから、そういうこともできた。(だから、壊れたともいえるが) そういうことを通じて、金属と金属が接触して、チャンネルが何かの働きをするということを覚えたと思う。 昔のテレビは、メーカーの仕様書を見ながら、電気屋さんがテスターとハンダごてで修理をしたものだ。 そういうことができるような製品だった。 家にテレビ屋さんが修理に来て、テレビの裏を見ているときに、一緒に覗いたことがある人は多いだろう。 怪しげに光る真空管が並んでいるのを見た人も、けっこういるのではないか。 その真空管もトランジスタに変わり、集積回路に変わった。 ブラウン管も液晶パネルに変わった。 それに伴って、地デジ化が進み、わけがわからなくなった。 一体何が言いたかったのだろう。 そうそう、ACとDCの話だった。 そういうことを知らないまま生きていくことができる現代。 世の中にブラックボックスが氾濫している。 便利になったのだが、古い人間にとっては何かひっかかる。 |
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