考えたこと2

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偶数を2nで表す
こないだ日本数学会が行った、数学のリテラシー調査で偶数と奇数の問題が出た。

それは「偶数を2n、奇数を2n+1(nは任意の整数)」と表せばすぐに解けるという問題。

これがあまり出来ていないことに対して、それは偶数を2nとおく、という事を覚えていたらすぐにできる、という反論がある。
つまり、暗記物だということだ。
知っているか、知らないかという知識の問題で、数学的なリテラシーは関係ないということになる。

しかし、ぼくは違うと思う。

偶数を2nと置く、ということを知っているということは、任意の整数という概念があって、それをnで表すという抽象化ができるということだ。
これは本質的な問題だ。
それこそが、数学的なリテラシーだと思う。

2,4,6,8,…,10000,…,100000000000,…というように無限に続く数という概念を頭の中で使えるということだ。
単に偶数は2の倍数ということを知っていることではない。
そのリテラシーを調査するために、この問題を選んだのだと思う。

一見簡単なことだが、それを証明するためには一般化しないといけない。
その一般化には、ものごとを本質的に見る目が必要だ。

別に偶数を2nとおく、ということを知らなくてもいい。
でも、ものごとの本質を見極めるときに、一般化や抽象化をするということが大事なのだ。
その訓練をすることが、数学をやる意義だと思う。

数、というのはどこにもない。
1つのリンゴと言っても、リンゴはあるが1はない。
頭の中にしかないのだ。
数学の全てが頭の中にしかないことで作られている。

分数がわかりにくいのは、1で全体を表すということがわからないからだろうと思う。
1/4という時に、この1は全体を表している。
普通の1,2,3,4…の1とは違うのだ。
「5/4」は、「1と1/4」という時の1の意味は違う。
最初の1は「1,2,3,4の1」であり、「1/4の1」は全体の1だ。
1で全体を表すという抽象化をやっている。
これがわからないと、分数はわからない。

やっているうちに、後でわかるのだ。
何度も同じドリルをやって、身体で覚える。
凡人はそういう過程を経て、ようやくわかるのだと思う。

そのステップを今は飛ばしている。

残念だ。
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