考えたこと2

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意味はあとでいい
脳科学のいうところでは、脳は寝ている間に情報の整理をしているらしい。

茂木健一郎によると、寝ていても起きていても、脳が消費する酸素量は同じだということだ。
起きているときインプットされたことを記憶したり、思い出したりしたことを元に戻しているのだという。
読み散らかした本や雑誌を片付ける、図書館司書のような仕事をしているらしい。

なるほど、そうかもしれない。

それを「海馬」という脳の部分がつかさどっているらしい。
意識的に覚えようとしたことや、意識があるときに見聞きしたことは、いったん短期記憶として、海馬に入る。そして、数十日は覚えているらしい。
その間に、もう一度海馬から引き出された知識は、長期記憶として大脳新皮質と呼ばれるところに記憶されやすくなる。
だから、暗記物には反復が必要、ということになる。

ただ、ぼんやり生活していて、覚えることは少ない。
覚えるには注意や興味、意欲が必要だ。
そういうものがあって、はじめて記憶のメカニズムが働くらしい。

英語を全く知らなければ、英語の歌は覚えにくいが、知っていれば覚えやすい。
ただの音に加えて、意味という情報が加わるから、覚えやすいのだろう。

何か新しいことに対して、「あれっ」と思う気持ちが、覚えようという意欲を促進する。
だから、できるだけいろんな事について興味を持つことが、記憶を促進することになる。
雑学博士などという人は、何を聞いても興味を示す人だろう。
だから雑学博士になれる。

知識を広げようと思うと、何に対しても興味をもつことがのぞましい。

でも、これは逆で、知識の幅が広いから、興味の対象が広がるのだと思う。
天使のサイクルに入るのだ。
広い知識 → 広い興味 → ものしり → 広い知識 というサイクルだ。
これに対して、悪魔のサイクルは、狭い知識 → 狭い興味 → ものを知らない → 狭い知識というサイクルになる。

しかし、この天使のサイクルの最初の部分が問題だ。

最初から知識を持っている人はいない。
どうやってそれを実現するか。
それは、とにかく最初に知識を詰め込むことだ。
ぶっちゃけた話、意味もわからず記憶するという「詰め込み?育」にはメリットがあったのだと思う。

今の初等?育は、意味を重視する。
それは大変結構なことなのだが、その意味がわからないことが多い。
割り算の意味は何か、と聞かれたら、すぐに答えるのは難しい
算数など、小学校で習うことの意味はとても難しいものだろう。
四則演算の意味など、覚えてからしばらくして理解する方が楽だ。

だから、分数がわからなくなる。
四分の一、とは全体を4つに均等に分けて、その内の一つという量。まだそこはわかる。
四分の一と三分の一を足すと、どうなるか。
12に分けた3つと4つだから、7/12というのを説明し、それでちょっとドリルをやって終わり、では無理だ。その時わかっても、大脳皮質に入らない。
4と3の最小公倍数を見つけて、それを分母にして、分子を足す、というのは「作業」として「身体で」覚えるほうがよほど早い。

分数の割り算の意味など、大人でもとまどう。
とにかく、分子と分母を反対にして、掛けたらいい、と覚える方が早い。

意味はあとでいいのだ。

そうやっておいて、中等教育の入試対策では意味を教えず、とにかく覚えようとする。
これは順序が逆だ。
ある年齢になったら、意味が大事だと思う。

記憶には2種類ある。
意味記憶とエピソード記憶。
意味記憶は単語を辞書に登録するようなもので、エピソード記憶は自分の経験が元になって、こうしたらこうなった、というような記憶。
子供は意味記憶に強い。
小学生とトランプの神経衰弱をやった人ならわかるだろう。

だから、小学生の時には意味もなく覚えることがいいことなのだと思う。

そうすることでしか、広い知識や興味をもつことはできないと思う。

型にはめようとして、どうしてもはみ出すのが個性なのだ。
個性を大事にしようと思えば、まず型にはめないと仕方がない。

やっているうちに、意味はわかってくるのだ。


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