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2011.12.10 Saturday
文字が立つ
今まで読んだ本で、2回も3回も読んだ本というとそれほどない。
しかし、本当に本を読むということは、何度も熟読するということだろう。 だから、読みたい本の中から、本当に自分が気に入った本を選ぶという作業が必要なのだ。 数少ない何度も繰り返し読んだ本というと…、岸田秀の「ものぐさ精神分析」「続 ものぐさ精神分析」「二番煎じ ものぐさ精神分析」の3冊は、目からウロコの落ちた本だったから、2回は読んだ。 次に山本七平の「一下級将校の見た帝国陸軍」「私の中の日本軍」などの日本陸軍のシリーズ。 これも電車の中で何度も読んだ。 フロイトの「精神分析学入門」も2回読んだと思う。 渡部昇一の、「レトリックの時代」「正義の時代」「英語教育大論争」「発想法」などは思い出深い。 そして、外山滋比古の「思考の整理学」「知的創造のヒント」なども読み返した。 内田樹、池田晶子、立花隆あたりも、2回読んだ本がある。 小説を2回読んだというのは、あったかな…。 ないような気がする。 ホントはいい小説こそ熟読しないといけないのだが…。 昨日、あるセミナーがあって、聞いてきたのだが、その人は本をあまり読まなかったらしい。 しかし、30歳を過ぎて読むようになった。 そんなに多読はしない。 その代わり、気に入った本は文字が立つまで読むとのこと。 ページの上の文字が立つまで読むということだ。 主に中国の古典の現代語訳が多いとのこと。 この「文字が立つまで読む」という表現、なかなか面白い。 何となく、ページをじーっと見ていたら、文字が立ちそうな気がする。 それくらい集中して熟読すると、文字が立つのかもしれない。 残念ながら、ぼくはその経験をしていない。 いつかは文字が立つような読書をしてみたいと思う。 |
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