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2011.08.14 Sunday
時代劇の衰退
このシーズンで水戸黄門が終わると、民放のレギュラーの時代劇はなくなる。
一時は何本もゴールデンタイムにやっていたのに、何がこの状況を生み出したのか。 この春、TBSでやっていた「JIN」は人気があった。 ストーリーはタイムトラベルが絡んで、現代物とも言えるが、舞台は江戸だったし、あれは時代劇だった。 したがって、時代劇がダサい、ということではないと思う。 面白い時代劇は作れるのだ。 舞台を江戸時代にする、というのはどういう効果があるのだろうか。 世の中が民主主義ではないということだろう。 だれもが頑張り次第で何にでもなれる、という設定ではなくなるのだ。 人々は自由でもないし、夜は暗いし、クレジットカードなどという便利なものもない。 世の中は理不尽なものだった。 そういう舞台のほうが、ドラマチックなものが描ける。 人間のピュアな部分が描きやすい。 最近の邦画も時代劇が増えた。 しかし、テレビでは時代劇は流行らない。 それは、時代劇はお金がかかるからだ。 エキストラ、セットやロケにも金がかかる。 衣装も高いし、殺陣も覚えなければならない。 そんなお金をかけるくらいなら、タレントを呼んでバラエティをやったほうが安い。 それが、時代劇の衰退の本当の理由だと思う。 テレビ局が、良質なドラマを作るより、簡単に安くあげて番組を作るようになった。 こないだ亡くなった前田武彦が言っていた。 「ゲバゲバ90分は、本当に面白いものができるまで何度でもやり直した。」 そういうテレビ人がいなくなったように思う。 お笑い番組など、楽屋落ちばかり。 どのチャンネルを回しても、同じような顔ぶれ。 ひどいのは、ネットの動画をみんなで見て、単にコメントするだけだ。 あんな番組を作っているのでは、テレビ離れも起こるだろう。 景気も悪く、広告費も入らない。 だから、制作費がなくなる。 そうすると、また安い番組を作る…。 悪循環である。 それが時代劇の衰退を生んだ。 時代劇に魅力がなくなったわけではない。 |
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