考えたこと2

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昭和ヒトケタの英語
朝のドラマでは昭和10年代の学校で、英語の授業をしているが、英語の発音はちゃんとしている。

このドラマ、ちょうど昭和ヒトケタの父と同じくらいの年代で、そこも興味深く見ている。

この当時、父の学校ではtheのことを「テヘ」と言っていたらしい。
これは耳にたこができるほど聞かされた話。
おそらく、本当の話だと思う。
父は広島の三次というところにいた。

だから、朝のドラマがおかしい、というわけではない。

当然、英語教師のバラツキもあっただろう。
土地柄もあると思う。

それでも、ぼくが感心するのは、あと1年で大東亜戦争に入るというのに、英語の勉強をちゃんとしていたということだ。

戦争中、英語は適性語として、教えていなかったと言われている。
だから、戦前もそれほど教えていなかったのではないかと勝手に思っていた。
イメージでは英語という科目はあっても、適当にやっていたという感じ。
しかし、ドラマを見るかぎりでは、まじめにやっている。
今よりもまじめと言ってもいいくらいだろう。

もちろんドラマなどいい加減なものという意見はあるだろう。
演出が入っているからだ。
しかし、まったくうそではないだろう。

亡くなった父は、自分たちが英語がうまく話せないのは、教え方が悪かったせいだ、と言いたかった。
その例として、theがテヘという話をした。

たしかに昭和ヒトケタ世代は、英語の発音がよくなかったのかもしれない。
しかし、読んだり、書いたりはできた。

その人たちが、日本が海外に出て行くときに、中心となって働いた。
英語はうまく話せなかったかもしれない。
しかし、アメリカに追いつけ、追い越せという熱意があったと思う。
気合があって、伝えたいことがあれば、英語の発音は悪くてもかまわないと思う。

それよりも、英語の構造を知り、語彙を増やすことが大事だ。
所詮、日本人が完璧な英語を話せることなど、ほとんど無理だ。
社会人の1%もいないだろう。

しかし、ブロークンイングリッシュを話せる人は多い。
中学、高校で6年間も習うのだ。
発音が悪いから、と躊躇してはいけない。
躊躇するのは、話したいことに対する熱意がないからだろう。

今の日本人の英語に一番欠けているのは、熱意ではないか。

大多数の人にとって、英語は手段である。
英語話者との対話のための手段だ。

そこでは、何を伝えたいのかが重要だ。
残念ながら、それは英語教育以前の問題だ。

それが、昭和ヒトケタの人たちにはたくさんあった。
戦争に負けたからだ。
アメリカに追いつけ、追い越せ、というモチベーション。
それが日本の高度成長を生んだ。
少なくとも一つの要因ではあるだろう。

だから、今の英語教育についての論争は不毛だと思う。
ことは英語ではないのだ。

そう思う。



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