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2010.12.21 Tuesday
すぐに役立つこと
すぐに役立つことは、すぐに役立たなくなる、とどこかの新聞に書いてあった。
なかなか言い得て妙な言葉。 わかる、わかると言いたくなる。 逆にいうと、すぐに役立たないことが、長く役立つということになる。 小説を読むことは、一般的にはすぐに役に立たない。 しかし、ずっと役に立つような気もする。 心を豊かにするのだ。 知識の幅も増える。 学校で習う、歴史や地理、化学や物理や数学も、すぐに役に立たないことだろう。 役に立った、という人は珍しい。 大化の改新がいつのことか、わからなくても困らない。 フィリピンがどこにあるか、わからなくても困らない。 過酸化水素がH2O2であることも、わからなくても困らない。 振り子の等時性がわからなくても困らない。 二次関数の根の公式がわからなくても困らない。 それぞれ、ひとつのことは別にわからなくてもかまわない。 でも、歴史や地理の体系的な考え方を知ることは大事だと思う。 知ったからどうなのか、といわれると難しい。 でも、そういうことを知っていることは大事なことだ。 だからこそ、学校で教えているのではないか。 すぐに役に立たないからこそ、ずっと役に立つ。 学校の先生もそう思っているのだろうか。 もしも、そう思っていたのなら、履修漏れなど起こっていないだろう。 |
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