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2010.12.18 Saturday
量子コンピューターとは何か ハヤカワ文庫NF ジョージ・ジョンソン
量子力学というものはどうも腑に落ちない。
いくら本を読んでも、わかった気がしないのだ。 それは、普通の世界とは全く異なるからであり、どういうわけかそれが正しいらしいから、困る。 普通ならありえない性質を量子は持っている。 同時に二つの状態を持つことができるのだ。 0と1の状態を同時に取れるということだ。 この性質を使って、コンピューターを作ったらどうなるか、ということだ。 膨大な計算量が必要なものがある。 500桁くらいある数字の約数を計算する、というようなことがすぐにできるようになる(らしい)。 しかし、途中で計算を見ようとしてはいけない。 観測することで、量子はひとつの状態になる。 だから、観測してはいけない。 しかし、観測せずに量子をどうやってコントロールするのか、そこのあたりが難しい。 難しい、というのはぼくにとって難しいという意味で、そこらあたりがワケがわからない部分だ。 同時に違う状態を取ることができるが、観測するとひとつになる、という性質。 これが開発されると、今のクレジットカード番号などの転送に使っている暗号が解けるようになる。 大きな数(といっても、億や兆どころではない)の因数分解がすぐにできるようになるからだ。 気がつくと、ぼくらの暮らしはそんなものに支えられている。 それが根底から覆されるから、量子コンピューターはできないほうがよいのかもしれない。 でも、可能性がある限り、挑戦する人がいる。 それが科学の進歩というものだ。 しかし、量子力学というものが実用的なものであるとは、思わなかった。 きっと、いろんなところで、量子の考え方は使われているのだろう。 アナログではない、デジタルな粒子。 連続値をとらず、離散値をとる。 つまり、間の値がないのだ。 世の中はアナログだと思っていたら、最後の最後はデジタルになる。 面白い。 21世紀は量子に時代になるのかもしれない。 |
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