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2010.04.20 Tuesday
いるくない
今日は若い人と話していたら、新しい言葉を知った。
人がたくさんいるのではないか、という意味の事を言うときに、今の若い人は「人がたくさんいるくないですか?」という。 これは存在するという意味の「いる」と、「〜らしくない」という言葉の「くない」をひっつけたもの、と考えるとよくわかる。 「好きくない」という言い方の「好き」を「いる」に変えたものだ。 普通は形容詞の「美しい」というのを、否定するために「美しくない」とか、「かわいい」という形容詞を否定するのに「かわいくない」とか、「〜くない」はそういう使い方だろう。 この形容詞(美しい、かわいい)が動詞に変わったものが、「好きくない」とか「いるくない」というもの。 ただ、「好きくない」はきらいという意味だが、この「いるくない」は「いない」という意味ではなく、「いるんじゃない?」という疑問で使われている。 だから、イントネーションも「いるくない↑」というふうにあがる。 まだ、否定で使うところまではいっていないような気がする。 意味はわかるが、「いるくない」はちょっと難しい。 最初は何を言っているのか、わからなかった。 調べてみると、「違くない」という言葉も新語でgoo辞書に載っていた。 意味は「違わない」で主に疑問形で用いると書いてある。 それと同じような言葉だろう。 「違うくない↑」という言葉は、聞いたことがあるような気がする。 どうも、テレビで聞いたような気がするのだが…。 このあたりの言葉は、「いるんじゃない?」というのを短縮して「いるくない」と言っているのだろうか。 たしかに、「んじゃ」よりも「く」の方が言いやすい。 使っている世代はかなり若い世代だが、どんどんこういう短縮が行われていくのだろう。 距離があるんではないか?というのを「遠くない?」というのと同じ感覚で、いるのではないか?というのを「いるくない?」という。 なんだか、だいぶ日本語も変わってきたような気がする。 「いる+くない」がアリなら、「ある+くない」もアリだし、関西弁では「おる+くない」もアリだろう。 「今日は、ようけ人がおるくない」という言葉を聞く日も近い。 勉強になった。 |
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