考えたこと2

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クルマ買うなんて…
朝刊の新刊書の広告を見ていたら、「クルマ買うなんてバカじゃないの?」という言葉が目に入った。
「嫌消費」世代の研究 という本の副題。
「経済をゆるがす欲しがらない若者」と書いてある。

ついに出たか…という感じ。
「嫌消費」とか、欲しがらない若者とかいうキーワードにひっかかったワケではない。
クルマ買うなんてバカじゃないの…という言葉にひっかかったのだ。

10年ほど前から、そういう兆しはあった。
ぼくはクルマの部品を作る会社にいたから、社員はクルマに関心がある人が多い。
その会社にいても、何となく感じていた。

「山下達郎が、竹内まりやとつきあえたのは、出たばかりのプレリュードに乗せて首都高速を走ったからだ」というのは、1980年くらい。初代か二代目のプレリュードが出たときだ。
真偽のほどはわからないが、今から30年ほど前。当時の空気をあらわしている。
何度か書いたが、クルマには夢があった。
若者のロマンと言ってもいい。

ただ、ロマンだけではない。
今日より明日、明日より明後日が豊かになる、という漠然とした期待があった。
それがロマンを支えていたと言ってもよい。

働いてお金を貯めて、そしてクルマを買うという夢。
それをかなえることができることが、多くの若者が夢を見る条件だ。

実際にかなえることができた。
若者がローンを組んでクルマを買う。
そんな時代だった。
だから、クルマ買うのは当然だった。
バカでも何でもない、普通の若者の心理だ。

なかでも、このクルマを買ったらモテる、というのが1978年当時のプレリュード。
今なら、「へー、そんな時代があったの?」と言われるだろう。

ところが、10年前になって、「クルマは動けばいい」という若い女性が出現し始めた。
中古のワンボックスあたりで充分、という世代。
それは、生まれたときからクルマがあるという時代背景の影響だろう。
クルマが、「夢見る消費財」から「一般消費財」へと変わりつつあった。
ちょうど、アメリカでリース落ちの中古車が、欲しいものリストで新車を抜いた頃だ。

ぼくらはモータリゼーションの最中に生まれ、クルマと一緒に育ってきた。
どんどん新しい技術が生まれ、新しいクルマが出てきた。

小学校の頃、日産のブルーバードがサファリラリーで勝った。砂漠を土煙をあげて疾走するブルーバード。かっこよかったなあ。
そこから、アメリカの貿易摩擦になるまでに成長した産業。
今は摩擦などない。メイド・イン・アメリカになっているからだ。

しかし、一般消費財になっただけでは、クルマ買うなんて…とは言われなかったろう。

収入が減っているのだ。
若い人に富の配分がされない。
だから、バカじゃないの?とまでいうのだろう。

本の内容は知らないが、今の若い人が消費を嫌っているのではないだろう。
その証拠に、コンビニがあんなにできた。
コンビニの商品はそんなに安くない。
それを支えているのは、若い世代だと思う。

ただ、クルマに対する夢も、そして中古のワンボックスを買うために注ぎこむ余裕もない。
それが原因の一つ。
原因のもう一つは、クルマ以外に魅力がある商品を作ってきたからだ。
携帯の通信費など、その最たるものだろう。

そう考えるぼくは間違っているのだろうか。

本の内容は知らないが…。


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