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2009.10.02 Friday
家路
遠き山に日は落ちて
星は空をちりばめぬ… ドボルザークの「家路」だ。 この曲は、学生時代のキャンプファイアーの定番曲。 明るい曲だが、微妙なメロディでもの悲しい感じがするのが特徴。 キーがCだったら、Gdimという不思議な響きのコードがその感じを出している。 これも文語調の歌詞。 今の人は歌うのだろうか。 ボーイスカウトでは歌っていると思うのだが…。 「心軽く」という歌詞は「心かろく」と読んでいた。 「いざや楽しまどいせん」というところがクライマックスなのだが、この意味がわからないだろう。(ネットで歌詞を調べると、「楽し」が「楽しき」となっているが、ぼくは「たのし」と覚えている。) 「いざや」の「や」と「まどいせん」の「せん」が係り結びだと思う。 「まどい」も今は死語になった。 まどいは団居と書いて、輪になって座るという意味だ。 さあ、楽しく輪になって座りましょう、というのが、「いざや楽しまどいせん」になる。 ぼくらの頃は、ワケがわからなくても、何となく歌っていて、長じるにつれて意味がわかった。 古文を習うと解読できる。 同じ日本語でも、こんなに違うのか、と思った。 毎度書いているが、この文語体、響きがいさぎよくて好きだ。 遠くの山に日は落ちて 星は空をちりばめた 今日の仕事をやり終えて 心軽く休憩すれば 風は涼しい今夜 さあ、楽しく輪になって座ろう こんな歌詞になったら、風情がない。 やっぱり文語だ。 遠き山に日は落ちて 星は空をちりばめぬ 今日のわざをなし終えて 心軽く 安らえば 風は涼しこの夕べ いざや楽し まどいせん この歌は、キャンプファイアーの終わりに歌う。 暗い闇の中で消えゆく炎。 そこでこの歌を歌うと、どういうわけか泣けてくる。 そんな名曲。 |
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