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2009.07.12 Sunday
ワープロ
会社に初めて業務用ワープロが入ったのが何年だったか…。
キャノンのEZPSという機種だった。 イージー・パブリッシングという言葉の略だと思う。 この機械は白黒だったが、非常に良くできた機械で、講習会に行ってきた社員が説明してくれるのを聞いて、「ほー」と驚いた事を覚えている。 当時、スキャナとプリンタがセットになっていて、ワープロ自体の機能もすごかったが、既にある図表とかを取り込んで使えるというのがすごかったと思う。 長いこと、そのEZPSが会社の主力機だった。 当時、印刷業界ではMacintoshの独占状態だったが、あのEZPSは機能が充実していて「白黒」ということを除けば、すごい機械だった。 まだ、ワープロ専用機というものが巷で使われていた頃。 「文豪」とか「ルポ」とか「オアシス」とかそんな名前でたくさん売られていた。 まだパソコンがそれほど普及する前に咲いた、あだ花のような機械だった。 最初は二行くらいしか表示できないディスプレイに、感熱紙のプリンタが付いた、まるでタイプライターのお化けのようなものだった。 それから、だんだんとディスプレイが大きくなっていって、結局、液晶ディスプレイがA4一枚を表示できるようになった頃、パソコンにその地位を取って代われれてしまった。 日本でしか作っていないワープロ専用機が、世界中で作れるパソコンに価格で太刀打ちできるわけがないのだ…。 当時「一太郎」というワープロソフトがでた。 これは、家電メーカーではなく、ソフト会社が作った「ワープロソフト」だ。 これが出なかったら、もうちょっとワープロ専用機の寿命は長かったかもしれない。 最初に一太郎を見た時は感心した。 日本語変換で、あめりかと打ったら、アメリカと変換される。てれびならテレビ。カタカナ語でもひらがな入力できた。 なんや、そんなこと…、と思うかもしれないが、当時のワープロ専用機にはそんな機能が無かった(と思う)。 atokという日本語変換のソフトが秀逸だった。 今はもうWordにその地位を譲って、一太郎は学校や特定のユーザーしか使っていない(と思う)が、atokだけは生き延びている。 Wordの攻勢ははすごかった。 若い人は知らないかもしれないが、ちょっと前まではワープロソフトと言えば、一太郎のことという時代があった。 そんな時代を経て、現代のパソコンの時代になっている。 今ではマルチディスプレイでスキャナをつけてA3まで出せるカラープリンタを装備しても、40万円もあれば買えてしまう。 夢のような時代。ちょっと前の印刷屋さんのような仕事が家でもできる。 デジタルカメラを買えば、写真の貼り付けも簡単だ。 今や素人でも十分な機器が使える時代。 えらい時代になったものだ。 |
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