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2008.12.11 Thursday
ぼくらの時代
もう52歳だから、ぼくらの時代はほぼ終わろうとしている。
ぼくらの時代とは一体何だったんだろうか。 今やもう戦後ではない…という時に生まれた。 それでも、小さい頃はまだ貧しかったと思う。 セーターは手編みで、二年に一回くらいほどいて編み直しだった。 冬になると、鼻をたらして袖で拭くから、袖は光っていた。 先生はえらくて、立派だった。 本当に立派だったと今でも思っている。 立ってウロウロするような生徒などいない。 先生はこわかった。 1クラス45人。卒業式ではみんなが君が代を歌い、仰げば尊しを歌い、日の丸を掲揚していた。 小学校の頃の写真はモノクロが当たり前だ。 そのうちに、高度成長で日本は豊かになった。 今日より明日、明日より明後日が、確実に豊かになると信じていた。 科学を信仰し、アトムのファンだった。 誰もがエネルギーという言葉を使い、誰もがエネルギーという言葉の意味を知っていた。 科学で全てが解決すると本気で思っていた。 そして、ベトナム戦争と安全保障条約で、大騒ぎになって、暴れていた人たち。 ぼくらはそれを見ていた。 中には赤ヘルをかぶっている(広島ファンというわけではない)人もいたが、大部分の人はノンポリを決め込んでいた。 ゲバ棒も内ゲバもあまり縁がなかった。 あのころ騒いでいた人はどこに行ったのだろうか。 あのころ騒いでいた人たちには、責任があると思う。 オイルショックでさっぱりワヤだったころに入社した。 省エネ、品質改善、体質強化、提案制度、年功序列…日本企業がだんだん優位になった。 ジャパン・アズ・ナンバーワン…、そんな言葉が言われた。 会社に入った頃は全て手書きの時代。 そして、15年ほどたって、パソコンが出てきた。 20年目には一人一台のパソコンだ。 アメリカやヨーロッパに出張するのが普通になった。 忙しい、忙しい、忙しい…。 毎日タクシーに乗って帰る日々。 サラリーマンがシーマやセルシオを買うという話を真剣にしていた。 そして、バブルがはじけた。 失われた10年。 ようやく、息をついて、何とかなると思ったら、サブプライム。 リーマンブラザーズが破綻する。 また不況だ。 はたしてぼくらの時代は何だったんだろうか。 そんなことを考える。 昭和ひと桁ジュニア。 もう少し、現役で舞台の上でプレイする。 少しでも、若い人にいいことを残せれば…と思う。 それでも、ぼくらの時代は…。 |
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