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2008.08.20 Wednesday
ケプラーの師匠
ヨハネス・ケプラーというと、惑星の動きについての法則を見出した人。
天文学の基礎、物理学の基礎を作った人でもある。 以前、古本で買った「物理学とは何であるか」という、ノーベル物理学者の朝永博士の本に書いてあった。 ケプラーの名前は、科学の歴史を作った人として記録されている。 しかし、ケプラーがその仕事をできたのは、師匠であるティコ・ブラーエという人が王室で金をもらって、従来にない高精度の観測を行い、しかもそれを16年も続けて記録したデーターがあったからとのこと。 ティコ・ブラーエという人は、そんなふうに歴史に残っている。 すごい人だと思う。 まず、王室に頼んで、天文台を作ってもらったこと。 それを作ることの重要性を訴えるという交渉をしたのだろう。 そして、観測を16年も続けたこと。 本によるとこの人は、観測はしたものの、数学の才能がなく、どうデーターを解析したらいいのかわからなかった…らしい。 当時はまだ太陽が動いているのか、地球が動いているのかもめていた頃で、どう星の位置のデーターを分析したらいいのかもわからなかった時代。 しかし、それにもめげず、16年間も精度の高い観測を続ける根気があったということだ。 惑星の動きだから、1年程度のデーターでは話にならない。 お互いの位置が大きく変わる範囲でデーターがなければならなかっただろう。 この人がいなければ、どんなにケプラーがえらくても、そもそも考えることすらできなかったはずだ。 天才の影に、それを支えた人がいる。 今の言葉でいうと、意義を説明して予算を取り、着実に実行するという力。 ケプラーのデーター分析力と創造力はすばらしい。 しかし、予算を取って着実に仕事を実行したティコ・ブラーエという人は、えらいと思う。 ティコ・ブラーエという人、最期はケプラーの才能を信じて、自分のデーターを全て彼に託して亡くなったとのこと。 ケプラーは天才だが、ティコ・ブラーエみたいな人も、そう簡単には見つからない…と思う。 |
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