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2008.08.18 Monday
旅慣れた人
落語研究会では、毎年夏と春に老人ホームの慰問旅行をやっていた。
初めての夏休みに、その慰問旅行に行ったときのこと。 3泊4日の旅行だったが、着替えやタオル、洗面具、替えのズボン、予備の下着、寝るときのジャージ、浴衣と帯、手拭い、扇子、足袋、ネタ帳、夜聞くための小型カセットテレコ…ひょっとしたら暑くて着替えがもう1セットいるかもしれないなどと考えて、大きな荷物になった。 寄席をやりながら旅行するわけだから、出囃子のカセットテープとテレコなど、備品も持っていかないといけない。 集合場所に行ったら、みんなにビックリされた。 いったい、何泊するつもりや…?? バカでかいカバンを持っているのはぼく一人。 先輩も同級生も、ぼくの半分くらいの荷物だった。 一番少なかった先輩は、風呂敷包み一つだけ…。 修学旅行以外、旅行などしたことがなかったぼくは、異常に多い荷物を持っていたのだ。 (ウチの家族は出不精一家だった) たしか、山陽方面だったか。 神戸で一席、岡山、倉敷あたりで一席ずつ、呉、広島あたりで一席ずつ、帰りは明石あたりで一席…そんな日程だった。 泊まりは全てユースホステル。 移動は電車とバスと歩き。 慰問承諾のハガキを持って、事前に調べた地図を頼りに訪問する。 この時は、先輩にだいぶイヤミを言われた。 当たり前だが、備品は新入生が持つのが当然。 でも、大きな荷物を持っていて、とてもそんなモノまで持てない。 だいたい、テレコと自分の荷物を持った先輩のほうが、まだぼくより荷物が少ないのだ。 大いに反省した。 人間は反省することで成長するのだ。 それ以降、荷物はできるだけ少なくした。(さすがに、風呂敷包み一つというわけにはいかなかったが…) 着替えなくても、死なないのだ。 予備は不要。 タオルは洗って干せばよい。 旅慣れた人は、荷物が少ない。 ぼくも、一度目で慣れて、二度目からは少なくなった。 当然だが、荷物は少ない方が楽だ。 それは、旅だけでなく、生きていくことに対しても同じことだろう。 それについては、まだ自分でも反省が足りないと思う。 まだまだ、風呂敷包み一つの先輩のようにはなれない。 |
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