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2008.08.07 Thursday
現場の発音
また野球の用語の話。
ヒットエンドランという言葉がある。 ピッチャーが投げると同時にランナーが走りはじめ、バッターが打つという作戦。 ランナーはバッターが打つ前から走りだすので、バッターがヒットを打つことができれば、よけいに進塁できるし、内野ゴロでバッターが一塁でアウトになっても、ランナーはセーフになってダブルプレーを防ぐことができる。 文章で書くとややこしいが、要はランナーが走ってから打つということだ。 もちろん、リスクもある。 フライを打ってしまったら、走ったランナーが元の塁に戻ることができなければダブルプレーになる。 これは、英語では"Hit and run play"とかいうらしい。 ここでおもしろいのは、andである。 これは、普通はカタカナでは「アンド」になる。 ブレッド・アンド・バターとか、ユー・アンド・アイみたいに書かれる。 ところが、野球用語ではヒット・エンド・ラン…略して「エンドラン」ということもある。 ヒット・アンド・ランではない。 実際の発音は「エンド」の方が「アンド」よりも近い。 ヒットエンドランなら、運がよければ通じるかもしれないが、ヒットアンドランならまず通じないだろう。 これは現場の発音。 以前職場の先輩に、英語を習ったわけではないが、神戸の進駐軍で働いていた人がいた。 その人の英語は、実際に戦後すぐ米兵と話して習ったものなので、「通じる英語」だった。 それは「現場の発音」であり、教科書の発音ではなかった。 ギブミーチョコレートではなく、ギミーチョコレット。 エンドランはこれと同じだろう。 現場の発音がそのまま日本語になった言葉。 こんな外来語もある。 |
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