考えたこと2

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雪国
国境の長いトンネルを抜けると、そこは雪国だった…

今、「お言葉ですが」という高島俊夫のシリーズの最新刊(文庫)を読んでいるが、その中に川端康成の「雪国」の英訳が出てくる。
それ自体が話題ではなく、本では「国境」を「こっきょう」と読むのか、「くにざかい」と読むのか…ということが話題になっている。

ぼくが面白かったのは、その読み方ではなくて、この英文そのものだった。

この、有名な「雪国」の書き出しの部分は英語では、

 "The train came out of the long tunnel into the snow country."

と訳されているとのこと。

普通の日本人なら、この部分の主語は"I"になるのではないか。

どう考えても、この部分は汽車に乗っている人の思いが書かれているのだと思う。

「私は長いトンネルを抜けて、汽車が雪国に入ったことに気づいた」というような英文が自然だと思う。

もちろん、英訳をした人は英語を母語とする人だろうし、日本語にも通じている人だろう。

その思いもわかった上で、この英文が自然なのかもしれないし、ひょっとしたら「私は…」というニュアンスを含んでいるのかもしれない。

それでも、どうも納得できない。

こういう事例をみると、一つの言葉をもう一つの言葉に置き換える(翻訳する)という作業は、とても難しい…というより、不可能なのではないかと思ってしまう。

それが文学だから…、だとは思うのだが。




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