考えたこと2

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60回目の桜桃忌
今日は太宰治の命日。桜桃忌である。

前にも書いたが、太宰は若いころしか読めない作家…と母が言っていた。
ぼくもそう思う。

子供らは「走れメロス」しか知らないから、太宰というと正義感あふれる、堂々とした作家…というイメージかもしれない。

ぼくは十代の後半に太宰の本をたくさん読んだ。
文庫になっているものは全部読んだと思う。
当時の本屋には、必ず太宰治はあった。

ぼくの知っている太宰の文庫は表紙が白黒の水玉模様のようなデザインだった。

アマゾンで太宰治の文庫を検索したら、たくさん出てきたが、集英社文庫の「人間失格」はマンガの絵が表紙。
ザ・太宰治 全小説という2巻セットのものもある。
時代は変わったなあ。

斜陽とか惜別、津軽、人間失格などの作品よりも、ぼくは短編が好きだった。
トカトントンという題名が一番印象に残っている。
私小説ではない、オトナのおとぎ話みたいな短編だった。
本物の太宰ファンではないのかもしれない。
題名だけなら、「恋と革命」はかっこよかった。

内容をよく覚えているのは、書簡集。
この人は、たくさんの手紙を書いている。
それが文庫本になって残っている。
借金の手紙が多かった。走れメロスのイメージからはほど遠い、「ウジウジした」というような表現がぴったりの人だ。
でも、そこに魅力があった。

今日は三鷹に60回目の桜桃忌で500人の人が集まったとのこと。
36歳の人も来ていたとの記事。
まだ、そのころは太宰の文庫本が本屋の棚に普通にあったのかな…。

東京新聞の記事に、三鷹市芸術文化振興財団の人の談話が出ていた。

「太宰作品は音楽で言えば井上陽水、松任谷由実、サザンオールスターズのようなもの。従来のファンに加え、中高生などの新しい読者層が生まれるなど、決して古びないところが魅力」

そうだろうか…。
ぼくのイメージは、井上陽水はワカラナイでもないが、ユーミンやサザンとは全く相容れない。
どちらかというと、昭和40年代の四畳半フォークの世界。
遠藤賢二や友部正人ならぴったりだと思う。

「決して古びない」は言いすぎだろう。

三鷹市では、太宰文芸サロンで太宰グッズとしてTシャツなどを売る由。

あの書簡集を思い出すと、…きっと太宰は喜んでいると思う。




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