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2008.06.05 Thursday
アピる
和製英語というのがある。
前に書いた、ゴールデンタイムとか、ナイター、オートバイ、ガードマンとかいうもの。 これは英語のように見えて、実際には日本で作られた言葉。 英語がそのまま日本語になったものもある。 これはアセスメントとか、マニフェスト、ジョギングとか。 もともと、日本語になかった概念の言葉だろう。 アセスメントなどは単独で使われるよりも、環境アセスメントとか人事アセスメントとかいうように、何かにひっついて専門用語として使われる方が多い。 マニフェストなどは、政策公約と言えばいいのだが、これは政治家がハッキリしたくないという意向もあって、わざとカタカナにしているのかもしれない。 さらに、英語の意味を借用して、新しい言葉を作っているのもある。 これは、最近聞いてなるほど、と思った言葉。 アピールする、というのを「アピる」という。 「これをちょっとアピっとこう」などと使うらしい。 これを聞いたときはビックリした。 日本語には「る」で終わる動詞が多いので、「ル」で終わる英語は動詞になりやすい。(tellみたいに音節が短いものは無理だろうが…。) だから、「ル」で終わる英語の動詞や名詞は、語幹を短縮して、「〜る」という使い方をしても、理解できてしまう。 グーグルで検索するというのを、「ググる」という動詞にする例もある。 これはかなり浸透しただろう。 他に考えつくのは、「アニマる」「コマーシャる」「グローバる」「ナチュラる」などもありかな…ちょっと無理があるか。 このままでは使わないだろうが、活用すると、少なくとも意味はわかる。 「アニマったレスラー」「ここでひとつコマーシャっておこう」「経済はグローバっています」「ナチュラりすぎた自然食品」みたいな使い方もあるかもしれない。 それにしても、言葉は不思議だ。 音で意味がわかるものがたくさんできてしまう。 (もちろん、使われる文脈の中で判断できるからだが…) 文字はあと、音が先ということがよくわかる。 いつか、「アピる」も広辞苑に載るかもしれない。 まだ「アピる」ならいいが、「あぴる」になったら、ちょっとコワイ。 そんな時まで生きていないか…。 |
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