![]() |
2008.05.21 Wednesday
記憶に残る音
一度だけパイプオルガンを聞いたことがある。
石造りの教会の大きな聖堂に据え付けられているものだ。 あの音は、「荘厳」という言葉通りの音だった。 まるで空気が揺れているような低音、建物自体が楽器になっているようだった。 オルガンという楽器は、ピアノやチェンバロとは違って、力強い。 鍵盤が押されるのを、音が待っている。 出された音は、鍵盤が押されているかぎり、鳴り続ける。 パイプを吹いているのだ。 そういう音が、人を静かな気持ちにさせるのかもしれない。 日本の宗教音楽というと、神楽や雅楽というものになるのかな? あれは、どちらかというと開放的であり、それに合わせて踊るというものだと思う。 日本の神さまは開放的だから、ああいうカタチになるかもしれない。 西洋の神さまは厳しい。 だから、閉じた空間で力強い音を鳴らす音楽になる。 もう20年ほど前になるのか…。 あの音は、匂いの記憶のように頭に残っている。 あれこそは、木の文化ではなく、石の文化の音だと思う。 |
![]() |