考えたこと2

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空想自然科学入門
アシモフ先生の科学エッセイのハヤカワ文庫第1巻。

この人は本当におもしろい。

生物学・化学・物理学・天文学の4部に分かれている。

第一部の生物学では、今の地球上に生まれた生物(水の中に生まれた、核酸とタンパク質を中心とするもの)以外の生物の可能性を追求している。
太陽系をモデルにして、各々の惑星の温度と、その上で液体であり得るもの、複雑な分子構造をとりえるものという考察を行って、生命のタイプを6つに分けている。
SF作家の面目躍如といったところか。

第二部の化学では、分子量が定められた歴史をわかりやすく語る。水素=1にするのか、酸素=16にするのか、炭素=12にするのか…。
ハッキリした数字が決まらないのは、やっかいな同位元素というものがあるからで、それは化学者ではなく物理学者の発見だった。そして、物理学者は化学者と違う数字を使いはじめ、具合が悪いことにそれは、それまで化学者が使っていた数字よりも正しい数字だったということらしい。
ぼくがこの数字を習ったのは1974年くらいだったと思うが、本によると今の形で分子量が決まったのは1961年。
化学者と物理学者がお互いに受け入れ合った結果だとのこと。
ふーん、そんなに新しい数字だったのか、と思う。

第三部の物理学では、エントロピーについて書いてあった。
熱力学から始まって、秩序・無秩序の話になる。
エントロピーはつねに増大し、あらゆる形のエネルギーの中で、熱が最も無秩序なものであり、熱でないエネルギーで何かが起こるときには、つねにそのいくらかは熱に変換されてエントロピーが増えてしまう。
なるほど…、地球上でエントロピーを減らすような行為は、太陽の中で質量がエネルギーに転換されてエントロピーが増大しているおかげなのか。

第四部の天文学では、宇宙の温度の上限はどれくらいなんだろう?という話が出てきた。
これは以前NHKの番組でみたことがあるが、超新星ができたときの内部温度がそれにあたるらしい。
それが60億度。これ以上には到達できない(爆発を起こしてしまうかららしい)
ニュートリノが熱エネルギーを持って飛び去ってしまうからとのこと。

これを実際に測ったのが、カミオカンデ。超新星の爆発で飛んできたニュートリノを測り、日本がノーベル賞をもらった。
やっとその意味がわかった。

このシリーズ、今となっては古い内容もあるだろう。
科学は日進月歩だから、それはしかたがない。
でも、アシモフ先生がときおりユーモアを交えながら、わかりやすく話してくれるエッセイは、読んでいて楽しい。
毎晩、少しずつ読んでいるが、ついつい寝るのが遅くなってしまう。

アシモフ先生のような科学者が、理科の教科書を作ってくれれば、いいのだ。

30年ほど前に出たシリーズだが、今になって読みはじめて2冊目。

こういうのは絶版にしてほしくないなあ…。





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