考えたこと2

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ハードボイルド2
推理小説というと日本の作家が書いたもの、ミステリというと翻訳というのは相場として決まっているのだろうか…。

一昨日は久しぶりにそこそこ面白いミステリを読んだ。

この手の小説は翻訳が好きだ。
前にも書いたが、ミステリでもハードボイルドと呼ばれるジャンルがいい。

今回は、マイクル・Z・リューインというアメリカの作家。
インディアナが舞台のミステリ。「A型の女」という本。
題名から想像されるが、血液型から実の親を探してほしいという少女からの依頼で物語が始まる。

解説によると、ネオ・ハードボイルドという分野の小説らしい。

何でネオ・ハードボイルドというのか…主人公はクロスワードパズルが好きであり、銃も持っていないという知性派探偵…そういう設定が新しいという事なのだろう。

全体に乾いた模写であり、小説の中に本の十数行だけさらりと主人公の過去が書かれている。
それ以外の部分は、彼が事件について考え、行動するだけ。愛想がないほど主人公については語られない。

さすがにハードボイルドというだけあって、たとえ銃は持っていなくても、自分の考えは曲げない。
報酬よりも、自分で納得のいく仕事をする…いつもハードボイルドの探偵は割が合わないのだが、彼もその範疇に入る。

なぜ、ハードボイルドのミステリかというと、それらが主人公の生活に密着して書かれており、その土地の気候や風物、食べ物などが書き込まれているからだ。

特にハードボイルド小説は食事に関する模写が多い。
生活と食べる事は切っても切れないからだろう。

子どもの頃に、日曜洋画劇場でジャン・ギャバンが出ていた「現金に手を出すな」という映画で、ギャバンがクラッカーにバター(チーズ?)をのせて食べるシーンが忘れられないのだが(解説の淀川長治がコメントしていたはず)、あんな感じで(といっても分からない人の方が多いだろうが)食べるシーンが多いような気がする。

ほとんどの探偵たちは、いつも金欠状態である。

そして、忙しい。

だから、張り込みの合間や移動の合間に食事を済ます。
それでも、こだわりがあって、店やメニューを選ぶ。

そして、風の強いシカゴや柄の悪いニュージャージー、からりとしたカリフォルニアなどが描かれる。

そんな生活誌や風物詩も楽しもうとすると、ハードボイルドのミステリになってしまう。

つまるところ、ハードボイルドとは、「やせがまん」のことなんだろう…。

今週はもう1冊読む予定。

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